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2019年2月28日

新規事業の立ち上げのよくある失敗と成功させるためのポイント

既存事業が安定してくると、新規事業の立ち上げにも着手したくなる経営者は多いのではないでしょうか?しかし、新規事業の立ち上げはそう簡単なものではありません。せっかく少なくないリソースを割くのですから、できるだけリスクを少なくして新規事業の立ち上げを成功させたいですよね。
そこで今回は、新規事業の立ち上げを成功させるにあたり、気をつけなければいけないポイントをいくつかまとめました。

Analyzing data, Businessman working and checking market data in office, hand pointing on the data presented in the chart on tablet

新規事業立ち上げに失敗する理由1:顧客ニーズを捉えていない

もしあなたが事業に対してどんなに情熱があっても、あなたがどんなに良いソリューションを提供していても、顧客のニーズを捉えていなければそのサービスは売れません。新規事業を始める多くの場合は、資金不足やノウハウ・知見不足がネックとなるため、どうしても自社のアセット活用を重視してしまいがちです。もちろん、アセット活用することで、開発費などの経費を大きく節約できるほか、その新規事業に対する知見も備えているため、それらが有利に働くことは言うまでもありません。

しかしながら、現状の事業が上手くいっていればいるほど、また企画が軌道に乗れば乗るほど、経営者は「こんなことができたらみんな喜んでくれるはずだ」という独善的な思考に陥りがちです。新規事業で失敗しないためには、そうした独善的な考えにならないように気をつけましょう。たとえその事業においてアセット活用がうまくできていて、勝算しか無いように見えたとしても、市場調査を怠ってはいけません。

 

新規事業立ち上げに失敗する理由2:サービスリリース後のマーケティング費用が十分に考慮されていない

新規事業の企画をお伺いすると、事業の内容自体に重きが置かれていて、サービスリリース後の顧客獲得について考慮が少ないケースに間々出くわします。
特にwebやアプリのToCサービスですと、口コミやSEO流入を過度に期待していることも多いです。口コミやSEOは獲得できれば大きな武器ですが、サービスリリース当初にそれらを期待することはできません。初期ユーザーの獲得にはどうしても、広告等マーケティング費用が必要になります。どれだけの広告費用でどれだけのユーザーを獲得し、そのうちの何パーセントのユーザーを定着させていくか。事業計画には初期ユーザー獲得についての考慮も必要でしょう

新規事業を成功させるポイント1:課題認識と価値の定義

これはニーズの話ともつながってきますが、新規事業を考えるときに課題認識と価値の定義を行なっていますか?これは非常に重要な概念なので、知らない人は是非意識してみてください。
まず課題認識とは、ターゲットユーザーの課題を明確に認識することです。有名な話ですが、T・レビット博士の著書『マーケティング発想法』の冒頭に「ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である」というものがあります。これはつまり、新規事業でターゲットユーザーの課題(=穴を開けたい)を解決するために、有効な価値は何か(=ドリル)を考えるということです。この場合、ユーザーが欲しいのはそもそも穴ではなく、壁に穴を開けてフックをつけて、壁をデコレーションした末で、美しい空間を楽しむということかもしれませんし、あるいは別の課題も考えられます。
こうした、ターゲットユーザーの課題を明確にすることで、新規事業を行う目的をハッキリさせることができ、計画にもブレが無くなります。
Business People meeting Planning Strategy Analysis Concept

新規事業を成功させるポイント2:小さく始める

新規事業を成功させるポイントの2つ目として、「小さく始める」という点が挙げられます。これは大前提なのですが、たとえあなたの既存事業が成功していたとしても、新規事業が成功するとは限りません。失敗事例からパターンは作れても、成功事例からパターンを作るのが難しいように、成功事例というのはその多くが運要素によって成り立ったということも少なくありません。

さて、ここからが本題ですが新規事業の初期費用を大きく割いてしまうと、失敗した時に軌道修正することが難しくなってしまいます。新規事業は失敗と修正を繰り返すことが多いです。早く失敗できるように、小さく始めましょう。

新規事業を立ち上げる際は、まず少ない経費から初めて、それが軌道に乗ってきたら、大きく育てていきましょう。開発プロダクトもミニマムから始めた方がいいです。最初から大きい資本を投下して市場にインパクトを与えたい気持ちもわかりますが、ミニマムに始めた方が良い方向への軌道修正も簡単ですし、そうすれば事業もより成功しやすくなります。

 

新規事業を成功させるポイント3:外部の話を聞く

3つめのポイントとして、「外部の話を聞く」というのがあります。例えばよく、社内公募などで新規事業のアイデアを募り、実際の新規事業立ち上げに着手するということが見受けられますが、では実際にその提案を採用し、新規事業を進める段になると、「アイデアはあるものの実行力が弱い」「すでに持っている仕事でいっぱいいっぱい」といった事態に陥る会社は少なくありません。

これは誰が悪いという訳でもありませんが、もし、いいアイデアがあるなら知見のある外部の話を聞きましょう。専門知識のない人材がいろいろ考えたところで、さらなるアイデアの改善や実際の企画フローなどはうまく回りません。社内に新規事業の専門家がいないなら、専門家に聞いた方が手っ取り早くその事業を前に進めることができます

例えば、新規事業でシステム開発をする場合、外部から技術に詳しいエンジニアを招いて、その企画の意見を聞くことは大切です。それにより、企画の長所や短所のみならず、改善案や現状の市場の温度感まである程度聞くことが可能だからです。
Group Of Business team meeting working and brainstorming new business project

新規事業を成功させるポイント4:ユーザーの行動を分析する

いざ新規事業を始めてみて、初期のユーザーもちらほらついてくれるようになった時に大事にしたいのが、「ユーザーの行動分析」です。せっかく初期ユーザーがついてくれたのに、彼らを逃していては意味がありません。また、新規顧客獲得にかかるコストよりも、既存顧客からの売り上げを倍にする方がはるかに安く済みます。新規ユーザーにヒアリングを行い、フィードバックを得るほか、そのフィードバックから行動や思考を分析することで、今後の事業におけるサービスを向上させることができます。そうすれば、新規顧客獲得という先行き不透明な顧客獲得ばかりに躍起にならずとも、売り上げの安定化を目指すことができるのです。
 

最小限の価値から出発するのが新規事業立ち上げのコツ

「失敗は成功の母」とはよく言ったものですが、新規事業開発についてもそれは同じです。もちろん、新規事業の立ち上げがうまく行くことが最善ではありますが、失敗はつきものです。大きく失敗して、既存事業にまで影響が出るようなら本末転倒です。それならば、失敗を前提として、小さい失敗を繰り返しながらも、新規事業の感覚をつかんで、より大きな成功につなげていく方が建設的ではありませんか?

ポイントは何よりも、最小限の価値から大きく育てること。新規事業は初期投資をできるだけ小さくし、小さくても、少しずつ大きく育てて、より確実に成功を手に入れましょう!

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