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2026年10月7日

PWA開発の費用はいくら?Web部分とPWA機能に分けて見る目安

PWA開発の費用はいくら?Web部分とPWA機能に分けて見る目安

「自社のWebサイトをPWAにすると、いくらかかるのか」。調べてみると記事によって金額に大きな幅があり、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。PWAの費用は、どの機能をどこまで作るかで大きく変わるため、一律の相場を示すのは難しいのが実情です。

この記事では、当社の見積もり基準をもとに、Webサービス本体の開発費用と、PWA(Progressive Web Apps:WebサイトやWebアプリを、スマホアプリのように使えるようにする仕組み)対応の費用を分けて、費用の目安を整理します。あわせて、機能ごとに費用が増える理由や、公開後にかかる費用、見積もり前に整理しておくことも解説します。

既存サイトのPWA化を検討している方、新しくサービスをPWAで作りたい方の、予算づくりの参考になれば幸いです。(2026年9月時点の情報です)

Webサービス部分の費用(規模別)

新規でPWAを作る場合は、Webサービス本体の開発費用と、必要なPWA機能の費用を合わせて考えます。この部分は一般的なアプリ・Webサービスの開発と同じく、機能や規模で決まります。

当社の記事「【2026年版】アプリ開発費用相場とシミュレーション」では、マッチングアプリを例に次のように試算しています。

規模 想定 費用の目安(当社の試算)
小規模 市場検証のため機能を絞った最初の版(会員登録、マッチング、チャットなど) 300万〜700万円
中規模 継続利用や月額課金まで設計した本格版 700万〜1,200万円
大規模 AIによるおすすめ、ビデオ通話、多言語対応などまで備えたもの 1,200万円以上

中規模のPWAを新規で開発する場合、この700万〜1,200万円にはPWA対応の費用も含まれています。次の節で紹介するPWA機能の費用は、この金額の内訳の一部であり、上乗せされるものではありません。

機能の内訳や、要件定義・設計・開発・テストなど工程ごとの費用の比率は、同記事をご覧ください。既存のWebサイトがある場合は、この部分の多くを流用できます。

PWA機能ごとの費用

PWA対応の費用は、どの機能を足すかで大きく変わります。既存サイトに後から追加する場合は、ここで示す費用が追加でかかります。新規開発の場合は、本体の開発費用の内訳としてご覧ください。まず一覧で全体像を示し、その後に機能ごとの注意点を説明します。

機能 できるようになること 費用の目安
インストール対応 ホーム画面のアイコンから起動 5万〜15万円
オフライン表示 通信がないときも主要ページを表示 10万〜30万円
プッシュ通知 利用者のスマホにお知らせを届ける 20万〜50万円
オフラインでのデータ入力と同期 通信がない場所で入力し、後で送信 40万〜100万円程度

上の4つの機能をまとめて実装する場合の目安は、次のとおりです。各機能の費用を単純に合計した金額ではありません。

ケース 費用の目安
新規開発のときに組み込む(本体の開発費用に含まれる内訳) 60万〜120万円程度
既存サイトに後から追加する 80万〜150万円程度

いずれも当社の見積もり基準による、一般的な費用感です。実際の金額は、画面数や機能の複雑さによって変わります。

既存サイトへの後付けを高めに見ているのは、既存の画面構成やログインの仕組み(認証)、サーバーとの通信(API通信)、キャッシュ処理などへの影響を調べ、調整する作業が必要になるためです。ただし必ず高くなるわけではなく、シンプルなサイトであれば、新規開発時とほぼ同額になることもあります。

インストール対応

ホーム画面のアイコンから、ブラウザの枠なしで起動できるようにします。作業の中心は、マニフェストとアイコン一式の用意です。

ブラウザにPWAとして認識させ、インストールを促したり、起動時の見た目を指定したりするには、HTTPS(通信を暗号化する仕組み)での配信と、マニフェスト(アプリ名、アイコン、起動するページなどを定義するファイル)が必要です。なお、ブラウザによってはマニフェストのないサイトもホーム画面に追加できますが、その場合はアイコンや表示方法をサイト側で指定できません。

出典:MDN「PWA をインストール可能にする」

注意したいのはiPhoneです。Androidでは、ブラウザの対応状況に応じてサイト内に独自の「インストール」ボタンを置けます。一方、iOSでは、サイト側からブラウザ標準のインストール画面を直接呼び出す仕組みに対応していません。そのため、「共有メニューから『ホーム画面に追加』を選んでください」と案内する画面を別に作るのが一般的です。

出典:MDN「PWA をインストール可能にする」

オフライン表示

Service Worker(ページとは別に裏側で動き、オフライン対応や従来方式のプッシュ通知などに使われるプログラム)で主要ページを端末に保存し、通信がないときも表示できるようにします。どのページを保存し、いつ最新に更新するかという設計が費用を左右します。

また、端末に保存したデータはいつまでも残るとは限りません。Safariでは、ブラウザ全体の保存容量の上限を超えたときや、端末の空きが少ないとき、しばらく使われていないときに、データが自動で削除される場合があります。また、サイトごとの保存容量の上限を超えた場合は、新しいデータの保存が失敗します。データが消えたり保存できなかったりしても、再取得できる作りにしておくことが前提です。

出典:WebKit「Updates to Storage Policy」、2023年8月公開

プッシュ通知

通知を届けるには、利用者側の仕組みだけでなく、通知を送る側の仕組みも必要です。

  • 利用者が通知を許可する流れ(購読ボタンなど)
  • 通知を送信するサーバー側の仕組み
  • 必要に応じて、運営者が通知を作成・送信する管理画面(配信サービスの管理画面から送る方法もあります)

iPhoneではiOS 16.4から対応しました。ただし対象はホーム画面に追加されたWebアプリに限られ、通知の許可は利用者がボタンを押すなどの操作をしたときにしか求められません。つまり、先ほどの「ホーム画面に追加」の案内とセットで設計する必要があります。

出典:WebKit「Web Push for Web Apps on iOS and iPadOS」、2023年2月公開

なお、iOS 18.4以降では、Service Workerを使わずに通知を表示できる「Declarative Web Push」も使えるようになりました。

出典:WebKit「WebKit Features in Safari 18.4」

通知の配信には、Firebase Cloud Messagingのように無料で使えるサービスもあります。ただし、送信の仕組みや、必要に応じて独自の管理画面を作る費用は別にかかります。通知の活用方法は「PWAでのプッシュ通知の現状を知る:業種別事例とベストプラクティス」もご覧ください。

出典:Firebase「Firebase Pricing」

オフラインでのデータ入力と同期

通信がない場所で入力したデータを端末に保存し、通信が戻ったらサーバーに送る機能です。PWA機能の中では、費用が最も増えやすい部分です。

理由のひとつは、通信復帰時に裏側で自動送信する仕組み(Background Sync)が、SafariやFirefoxでは使えないことです。iPhoneなどBackground Syncを利用できない環境では、「次にアプリを開いたときに送信する」など、別の同期方式を設計する必要があります。

出典:MDN「Background Synchronization API」、MDN browser-compat-data「SyncManager」

さらに、同じデータが複数の場所で変更されたときの扱いや、前述の保存データ削除への備えも必要です。データの持ち方などサービス本体の設計に関わるため、後から足すのは難しくなりがちです。必要かどうかは、開発の最初に決めておくことをおすすめします。

データの保持、送信に失敗したときの再送、データが食い違ったときの処理などが必要になるため、仕様によって金額が大きく変わります。当社の目安は40万〜100万円程度です。

両OSでの動作確認

ここまで見てきたように、iPhoneとAndroidでは使える機能や条件が異なります。そのため、通常のWeb開発よりも動作確認の工数が増えます。iOSの対応状況は「iOSのPWA対応状況を調査(2026年版)」で詳しくまとめています。

公開後にかかる費用

PWAは公開して終わりではなく、運用中も費用がかかります。主なものは次の3つです。

  • 保守費:ブラウザやOSの仕様変更への対応、不具合の修正、セキュリティ更新などです。金額の目安は下の表のとおりです。
  • サーバーなどの実費:サーバーやドメインの費用です。利用者数やデータ量によって変わります。
  • 通知の運用:配信サービスは無料のものもありますが、通知文面の作成など運用の手間はかかります。

当社の基準では、保守費の目安は次のとおりです(税抜)。

初期開発費用 保守費(年額) 保守費(月額の目安)
300万円 30万円 約2.5万円
700万円 70万円 約5.8万円
1,200万円 120万円 約10万円

保守の範囲や対応の頻度によって金額は変わります。

一方で、PWAをWebアプリとしてURLから配信する場合は、App StoreやGoogle Playへの登録が必要ないため、ストアの登録費や販売手数料は発生しません。iPhoneでプッシュ通知を送る場合も、Appleの開発者登録は不要です。課金のあるサービスでストア手数料を含めて比べたい場合は、次の節で紹介する記事をご覧ください。

出典:WebKit「Web Push for Web Apps on iOS and iPadOS」

費用を抑える進め方

費用を抑えるポイントは、必要な機能を絞り、段階的に足していくことです。

  1. 目的をひとつに絞る:「通知で再訪問を増やしたい」「ホーム画面からすぐ開けるようにしたい」など、一番の目的が決まれば、必要な機能も絞れます。
  2. 既存サイトを活かす:スマホ表示に対応したサイトがあれば、それを土台にPWA機能だけを足せます。スマホ対応がまだなら、そちらが先です。
  3. 小さく始めて足していく:インストール対応→オフライン表示→通知のように、反応を見ながら順に追加できます。

ただし、次の2点は最初に決めておきましょう。後から変えると作り直しになりやすいためです。

  • オフラインでデータを入力する必要があるか
  • 将来アプリストアでの配信が必要になりそうか(方式の選び方は「Webサイトはアプリ化できる?既存サイトを活かす方法と費用」で解説しています)

ネイティブアプリと比べたい方へ

PWAとネイティブアプリ(App StoreやGoogle Playから入れるアプリ)のどちらが安いかは、初期費用だけでなく3年程度の総額で判断する必要があります。ストア手数料や、後からネイティブアプリを追加する場合の費用も含めた比較は、「PWAは本当に流行らないのか?| 年率30%成長の事実とネイティブアプリとの差」で試算しています。

見積もりを依頼する前に整理しておくこと

次の項目を整理しておくと、見積もりの精度が上がり、複数社の見積もりも比べやすくなります。わかる範囲で構いません。

  • PWAにする目的(通知を送りたい、すぐ開けるようにしたい、など)
  • 既存サイトの状況(使っているCMS、スマホ表示への対応、HTTPS化の有無)
  • 必要なPWA機能(インストール対応、オフライン表示、通知、オフライン入力のどれか)
  • 利用者のiPhoneとAndroidのおおよその割合
  • 通知の運用(誰が、どのくらいの頻度で送るか)
  • 将来アプリストアでの配信を検討する可能性
  • 公開後の保守を誰が担うか
  • 予算の範囲と、公開したい時期

整理が途中でもご相談いただけます。機能の切り分けから一緒に検討したい場合は、「システム・アプリ受託開発 概算お見積りのご依頼(無料)」からお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q. 既存サイトのPWA化はいくらかかりますか?

足す機能によって変わります。当社の目安では、インストール対応が5万〜15万円、オフライン表示が10万〜30万円、プッシュ通知が20万〜50万円、オフラインでのデータ入力と同期が40万〜100万円程度です。すべてに対応する場合は80万〜150万円程度が目安ですが、シンプルなサイトなら新規開発時(60万〜120万円程度)とほぼ同額になることもあります。

Q. 公開後の保守費はどのくらいですか?

当社の目安では、初期開発費用が700万円なら年額70万円(月額約5.8万円)、1,200万円なら年額120万円(月額約10万円)程度です。これとは別に、サーバーなどの実費がかかります。

Q. iPhoneでもプッシュ通知は届きますか?

届きます。ただしiOS 16.4以降で、利用者がホーム画面に追加していることが条件です。

Q. PWAをApp Storeに並べられますか?

PWAをそのままURLとしてApp Storeに登録することはできません。App StoreやGoogle Playで配信したい場合は、PWAをアプリとしてパッケージ化する方法や、WebViewを利用したアプリなど、ストア配信に向けた開発と申請を検討する必要があります。詳しくは「Webサイトはアプリ化できる?既存サイトを活かす方法と費用」をご覧ください。

Q. オフラインで入力したデータは確実に残りますか?

端末に保存したデータは、ブラウザが自動で削除する場合があります。通信が戻ったら早めにサーバーへ送るなど、設計で備える必要があります。

まとめ

  • 新規ならWebサービス本体とPWA機能の費用を合わせて考えます。既存サイトがPWAに適した構成ならPWA対応の費用が中心ですが、スマホ対応やHTTPS化などの改修が必要なら、その費用もかかります。
  • 追加費用は足す機能で変わり、オフラインでのデータ入力と同期が最も増えやすい部分です。
  • iPhoneでは、ホーム画面への追加の案内や通知の条件など、独自の対応が必要になります。
  • 公開後も保守費と実費がかかります。URLから配信するPWAでは、ストアの登録費や手数料はかかりません。
  • 目的を絞って小さく始めつつ、オフライン入力とストア配信の要否は最初に決めておきましょう。

まずは前の節のチェックリストで、自社に必要な機能を整理してみてください。判断に迷う場合は、「概算お見積りのご依頼(無料)」からご相談ください。

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オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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