近年、情報を探す手段はGoogle検索だけでなく、ChatGPTやGeminiなどの生成AIへと広がっています。これに伴い、Webサイト・サービス運営者が意識すべき新しい考え方が「LLMO(大規模言語モデル最適化)」です。
「難しそう」と感じるかもしれませんが、その本質はこれまでのSEOと地続きにあります。本記事では、Webサイトやサービスの情報をAIに正しく届けるための「LLMO対策のやり方」を、具体的かつ実務的な視点で解説します。
1. LLMO対策の土台は「良質なコンテンツ」

まず大前提としてお伝えしたいのは、SEOもLLMOも、その土台は「ユーザーにとって有益なコンテンツ」であるという点です。
AIはインターネット上の膨大な情報を学習していますが、その評価基準の根底には「信頼できるか」「役に立つか」という人間中心の視点があります。
- 正確な情報の積み重ね: 嘘や誇張のない、誠実な情報を発信し続けること。
- 時間のレバレッジ: 信頼は一朝一夕では築けません。長く継続して有益な情報を発信しているサイトほど、AIからも「参照に値する」と判断されやすくなります。
「AI対策」というテクニックに走る前に、まずはこれまで通り「ユーザーに喜ばれる記事やサービス紹介」を愚直に作り続けることが、最も強力なLLMO対策となります。
2. LLMO対策のやり方:全体像と3つのアプローチ

基本的な考え方の土台は変わらないとした上で、良質なコンテンツを「AIに正しく発見してもらい、理解してもらう」ために必要と考えられるのが、以下の3つのアプローチです。
① AIが読み取りやすい文章構造(内部施策)
AIは文章を断片化して理解します。どこを切り取られても意味が通じるよう、以下の点を意識します。
- 結論を先に書く: 各セクションの冒頭に要約を置くことで、AIが回答の核となる部分を抽出しやすくなると考えます。
- 曖昧な表現を避ける: 指示代名詞(これ、それ)を減らし、固有名詞や主語を明確にします。
② 構造化データとスキーマの活用(技術的施策)
AIに「データの意味」を直接伝えるための仕組みです(詳細は後述します)。
③ 外部での言及(サイテーション)を増やす(外部施策)
AIは自社サイトの外側にある情報も見ています。SNSや他メディア、プレスリリースなどで自社名やサービス名が語られる(言及される)機会を増やすことが、AIにとっての「信頼の裏付け」になります。
3. LLMO対策のやり方:SEOから一歩踏み出した「3つのアプローチ」
SEOで培った「良いコンテンツ作り」をベースにしつつ、LLMOではさらに以下の3点を強化する必要があります。
① 構造化データによる情報の「定義」
AIにデータの意味を正確に伝えるためのタグ付けです。
- SEOとの違い: 検索結果を飾るためではなく、AIが「この情報は公式な事実だ」と照合しやすくなるための「根拠」として提供します。
- 重要スキーマ: Organization (会社情報)、Product(商品詳細)、FAQPage (質問と回答)などを優先的に実装しましょう。
構造化データの考え方のアップデート
SEOでは特に内部に比重を乗せていましたが、LLMOでは「エンティティ(実体)の紐付け」を意識します。
💡SameAs プロパティの活用
構造化データの中でsameAsを使い、自社の公式SNSやWikipedia、プレスリリースのURLを記述します。これにより、AIは「ネット上のこれらすべての情報は、この会社のことだ」と確信を持って繋ぎ合わせることができます。
② 「llms.txt」の設置:AIへの専用窓口
最近、AIエージェント向けに情報を整理して提供する「llms.txt」という規格が注目されています。各主要なAI企業ともllms.txtへの対応については慎重派と積極派に分かれている状況ですが、llms.txtの設置は広まってきております。
- 役割: llms.txtは「AI向けのお品書き」です。AIがサイトの全体像や重要なページを短時間で理解するのを助けます。
- 作り方: サイトのルートディレクトリ(例: example.com/llms.txt)に配置します。形式はシンプルなMarkdown形式で記述します。
記述内容の例:
- サイトの概要(一行説明)
- 主要なセクションへのリンクと説明
- AIに特に読み取ってほしい重要な記事のリスト
③ サイテーション(外部言及)の強化:ネット上の評判を作る
LLMOにおいて非常に重要なのが、自社サイトの外側で「自社名やサービス名」が語られる機会を増やすことです。AIはネット全体の情報を統合して「どのサービスを推薦すべきか」を判断しています。
具体的なやり方の例:
- プレスリリースの活用: 新機能や調査結果を配信し、ニュースサイト等で名前が言及される機会を作ります。
- SNSや外部メディアへの露出: 専門媒体への寄稿やSNSでの活動を通じて、ブランド名が第三者のコンテンツ内で語られる状態を目指します。
- レビューサイトの活用: 第三者の評価サイトに自社情報が掲載されるように働きかけます。
なぜ重要か: 自社サイトで「うちは最高です」と言うだけでなく、周りから「あそこは良い」と言われている状態が、AIの推薦順位を決定づけるからです。
4. まとめ:内部を整え、外の世界で語られる
LLMO対策のポイント
- 内部対策:構造化データと文章構造で「AIが誤解しない状態」を作る。
- 窓口設置:llms.txtで「AIが情報を拾いやすい状態」を作る。
- 外部施策:サイテーションを増やし「AIが推薦したくなる評判」を作る。
llms.txtについては今後各AI企業の対応により重要度は変わる可能性はありますが、構造化データや外部施策はSEO対策ではずっと重要視されていることです。ただSEO対策では内部対策に比重が多いところもありましたが、LLMO対策についてはより外部対策にも力を入れるべきかと考えます。
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