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2020年6月4日

Vliveが世界中で利用されている理由〜J-popのファンクラブ 形態と比較して〜

オリコンニュースによると、2018年のK-POPの世界市場の推定総売上金額は274.5億円(前年比56.4%増)となり、過去最高を記録しているなど、近年K-POP市場は急成長しています。

日本でもK-POPの再ブームが到来しているようです。

K-POPファンであればほとんどの人がダウンロードしていると言われる動画配信アプリVlive。

動画配信アプリといえば、世界ではYoutubeが広く普及しており、韓国アイドルの公式チャンネルも多く存在しています。

なぜK-POPファンはYoutubeとは別にVliveをダウンロードするのでしょうか。

J-POPのファンクラブ 形態と比較し、人気の秘密を探りました。

■参考:オリコンニュース 「世界的グループの活躍で隆盛、K-POP市場が過去最高の274.5億円に成長」

 

V LIVE

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参考画像:APPSTORE

 

2019年7月時点でグローバルダウンロード数が7800万件を突破したアプリ。海外の利用者の割合は全体の8割と国外での人気が高い。今年第2四半期のVアプリの売上高は、前年同期の2倍以上に増えており、KPOPファンにとって欠かせないアプリになりつつあります。

■参考:NEWS1KOREA「유튜브 뺨치는 ‘BTS 팬덤’… K팝 인기에 네이버 V앱 ‘승승장구’」

 

<機能>

・チャンネルを作ることができるのは事務所や企業、アイドルのみ。

(一般人は配信できない)

・ライブ配信機能だけではなく、事前収録された動画やアイドルのダンス動画、MVが投稿される

 

・ファンが字幕を付けることができる(ライブ配信中はできないが、終了後に字幕を付けられる)

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・好きなシーンをモーメントとして切り取ることができ、他のファンが切り取ったモーメント  も観覧できる。

・無料で十分楽しめるが、アイドルごとに有料メンバーズシップがある(月額400円程度)

・有料メンバーズシップに加入すると限定動画や限定ファン掲示板が楽しめる

・チャンネルやビデオごとのランキングがあり、ファンが動画を見ながらハートを押すことで  ランキングが決まる。

■参考画像:VLIVE

 

・動画上にコメントができる。

・kpopに関するニュースを日本語で読むことができる。

・アイドルが出演している短編Webドラマ(一話10分程度)も見ることができる。

・LIGHTSTIC(アプリ内で使えるペンライト)を販売しており、ペンライトを利用すると押したハートの数が二倍になる。

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<海外のkpopファンにとってV LIVEを利用するメリット>

・ファン字幕があるので公式の字幕を待たなくても字幕付きで見ることができる。

・ファン字幕はVfunsubsというサイトで誰でも作成できる。(翻訳をたくさんするとバッジが与えられる。)

・ハートを押すことがランキングに繋がるため、アイドルを応援できる。

・ほとんどの動画を無料で見ることができる。

・アイドルのプライベートな側面を見ることができる。

<アイドル事務所側にとってのメリット>

・ファンが字幕を付けてくれるため、海外ファンを獲得しやすい。

・ファンとのコミュニティの場所が増える。

・他のアイドルグループのファンも獲得できるチャンスがある。

・MVとは違ったバラエティ番組的側面を海外ファンに見せることができる。

(韓国国外に住むファンは韓国の地上波で放送されているバラエティ番組を見ることは難しいため、ファンにとってのメリットでもあります。)

 

<vliveの収入源>

vliveの主な収入源は有料メンバーシップ「Fanship(1ヶ月440円〜)」と特別映像を販売する「Vliveプラス」です。

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Vliveプラスではアイドルのライブやファンミーティングの様子を有料独占生放送しています。 過去最高の動画視聴料金は3300円です。

一本の動画を見るためだけに3300円を支払うのは高いと感じるかもしれませんが、ライブの抽選に外れてしまった場合や海外に住んでいるファンがライブの生放送を家で見ることが出来る為、動画を購入するファンも多くいるようです。

Vlive側がアイドル側にどのようなインセンティブを支払っているのかは公開されていません。
■参考:비즈니스 with Business Watch 「[인사이드 스토리]자체 플랫폼 찾는 BTS…’V라이브’ 타격받나」

 

世界進出しつつあるJ-POP

 

私自身、留学生と関わる機会が多いのですが、日本に来ている留学生の友達になぜ日本に来たのか聞いてみると、嵐が好きだったり、日本のアニメが好きだったりする場合が多いと感じています。

アニメや映画はNetflixやAmazonプライムで字幕付きで見ることが可能ですが、JPOPアイドルトのファン向け動画を見るのは日本語がわからない人々にとって容易ではありません。

最近では様々な事務所が、本格的に海外進出を図ってきているようです。

例えば、2016年にはEXILEや三代目Jsoulbrothers、GENERATIONSが所属する事務所LDHが米国、ヨーロッパ、アジアに拠点を広げることを発表しました。

事務所のサイトも英語に対応しており、各地域ごとのイベントなどを見ることもできます。

2019年11月3日には嵐がジャニーズのグループで初めて、5大SNSを解禁しました。

嵐のインスタグラムでは毎日のようにストーリーが更新され、日本語だけでなく英語でコメントを書いていたりと本格的に世界進出しているようです。

SNSを活用し、海外進出が進んできているJ-POPですが、ファンクラブ や会員限定有料コンテンツはどのような仕組みになっているのでしょうか?

ここまで紹介してきたLDHとJohnnys事務所のファンクラブ を例にあげ、仕組みを探ってみると、”ファンクラブ に加入してJ-POPアイドルを本気で応援したい海外ファン”にとってハードルがい点が見受けられました。

なお、調査にあたって、実際にファンクラブ に加入している大学生の意見も参考にしました。

日本の一般的なファンクラブや有料コンテンツ の仕組みは??

 

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参考資料

■EXILE TRIBE mobile EXILE TRIBE公式モバイルサイト

■EXILE TRIBE OFFICIAL FAN CLUBサイト

■LDH TV ファンクラブ会員のための動画配信アプリ

■Johnny’s web

■ Johnny’s net

 

<考察>
日本人がファンクラブ の仕組みを探ってみてもかなり複雑になっており、理解するのに苦労しました。

海外ファンがファン限定の動画を見ることは、可能ではありますが字幕がついていなかったり、登録するためには日本語のサイトで進めなければいけないなどハードルが高いと言えるでしょう。

また、ファンクラブ に入るには日本の住所を入力する必要があるため、日本在住者でないと加入できない場合が多いようです。

会員限定有料コンテンツを見たい場合にもファンクラブ 加入が必須になっているサービスもあり、海外在住の方がコンテンツを見るのは難しそうです。

 

<総括>

日本のファンクラブ 形態と比べてみても、Vliveのようにアプリ一つインストールすればほとんどの韓国アイドルの動画を字幕あり、無料で見ることができるという仕組みは海外ファンはもちろん、国内ファン獲得の大きな力となっていると感じました。

逆に、日本のように事務所ごとに独自のサービスを展開している場合、限られた空間だからこそ獲得できる特別感もあるのかもしれません。

事務所独自のプラットフォームを本格的に展開している日本において、無料でVliveのようなサービスを展開するのは難しそうですが、海外ファン向けの”月額制vlive”のようなサービスがJ-POPにもあったら需要がありそうだなと思いました。

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