iPadアプリの開発を検討する際に費用面も大きな関心所かと思います。2026年現在、iPadOS 26の登場により、従来のアプリ開発よりも高度なUI設計(ユーザーインターフェース:画面の見た目や操作性)や最新機能への対応が求められるようになっています。本記事では、初めて外注を検討される方でも判断しやすいように、規模別・ユースケース別の費用相場をお伝えしていきます。お見積りの内訳目安も記載しておりますので、アプリ開発の理解も深まるかと思います。
1. iPadアプリ開発の外注費用相場
2026年現在のiPadOS 26環境下での開発実態に即した費用相場です。iPadアプリはiPhone向けと比較して、大画面へのUI最適化やApple Pencil等の周辺機器への対応工数が必要になる傾向があります。
規模別の費用目安
開発手法が「スクラッチ開発(ゼロからオリジナルのプログラムを構築する手法)」の場合の目安です。
| 開発規模 | 費用相場 | 想定される仕様 |
|---|---|---|
| 小規模 | 300万〜500万円 | 単一機能のツール |
| 中規模 | 500万〜1,500万円 | DB連携(データベース:データを蓄積・管理するシステム)、複数機能を持つ標準的な業務支援システム |
| 大規模 | 2,000万円〜 | 多機能な包括的な業務支援アプリ。基幹システム連携、多デバイス同期、SaaS基盤構築(Software as a Service:クラウド経由で提供するソフトウェアサービス) |
カテゴリ別iPadアプリの想定機能と費用例
iPadアプリと相性のいいSaaSをいくつかのカテゴリで分けて、想定機能と費用相場をご紹介します。こちらでご紹介した以上に機能が増えたり他システムとの連携が増えると費用は大きく相場を超えることもありますが、ご参考までにご覧ください。
① 営業支援・電子カタログツール

費用相場:500万〜1,200万円
単なる資料提示用から、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理システム)と連動したフロントエンドツールへと進化しています。
- リード(見込み客)管理・閲覧:社内システムやSalesforce等と連携し、外出先から担当顧客の属性やBANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Need:ニーズ、Timeline:導入時期の4項目)を確認。
- 対応履歴の記録(SFA機能):商談直後に音声入力やApple Pencilで、折衝内容、進捗ステータス、次回アクションをその場で入力。※SFA:Sales Force Automation(営業活動を自動化・支援するシステム)
- インタラクティブカタログ:3Dモデルの操作や、顧客の要望に合わせた即時シミュレーション、見積書のPDF自動生成。
- オフライン動作と同期:電波の悪い場所でも動作し、オンライン復帰時に一括同期。
- GPS連動・ルート最適化:現在地周辺の訪問待機顧客をマップ表示。
② 病院向け診療支援アプリ(電子カルテ連携)

費用相場:1,200万〜2,500万円
最新のトレンドは「PCのカルテを補完する機動性」と「患者への説明ツール」の両立です。
- 患者情報・投薬履歴のリアルタイム閲覧:既存の電子カルテDBとAPI連携(Application Programming Interface:異なるシステム間でデータをやり取りするための接続仕様)し、バイタル、アレルギー、処方薬、過去の検査結果をベッドサイドで即座に確認。
- Apple Pencilによる手書きシェーマ:患部の画像や図解に直接書き込み、そのままカルテに保存。
- DICOM画像(レントゲン・MRI)ビューア:高精細な医療用画像をiPadで閲覧し、ピンチイン・アウトで患者に説明。
- バイタル自動取り込み:Bluetooth接続の血圧計や体温計から数値を自動取得。
- インフォームド・コンセント支援:説明動画の再生と、電子署名による同意書取得。
③ SaaS型店舗決済・POSレジ(スマレジ等想定)

費用相場:800万〜1,800万円
単なる会計機ではなく、店舗経営の意思決定を支えるプラットフォームとしての機能が標準です。
- 売上分析ダッシュボード:日次・月次の売上、客単価、ABC分析(売上重要度に応じた商品ランク分け分析)をグラフで可視化。
- リアルタイム在庫管理:複数店舗の在庫状況を照会し、他店からの取り寄せやEC連携を管理。
- マルチ決済連携:主要な決済端末(STORES, Airペイ等)とのSDK連携(Software Development Kit:アプリ開発に必要なツール群)によるキャッシュレス対応。
- 顧客管理・ポイント連携:購入履歴に基づいたクーポンの発行や、LINE連携によるCRM機能。
- iPadOS 26 マルチタスク活用:会計画面を開いたまま、別ウィンドウで在庫確認や予約表を同時操作。
④ 製造・現場点検システム

費用相場:700万〜1,500万円
- AI画像診断・点検:カメラで撮影した箇所の亀裂やサビをAIが自動検知。
- AR作業指示:iPadをかざすと、修理すべき箇所に矢印や3D指示が表示される。※AR:Augmented Reality(拡張現実:現実の風景にデジタル情報を重ねる技術)
- 帳票自動生成:点検完了と同時に現場報告書を自動レイアウトで作成・送信。
2. iPadアプリ開発の外注費用内訳
見積書に記載される費用の大半は、開発に携わるエンジニアやデザイナーの「人件費(人月)」です。
【補足情報】人月とは
「1人が1ヶ月間働いた時の作業量」を1とした単位です。例えば、あるプロジェクトの工数が「10人月」と見積もられた場合、それは以下の状態を指します。
- 1人で作業する場合:10ヶ月かかる
- 5人で作業する場合:2ヶ月で終わる
- 10人で作業する場合:1ヶ月で終わる
つまり、「人数 × 期間」で計算される、仕事の総量を表す指標です。
人月単価の相場
エンジニア1人が1ヶ月稼働する単価は、80万〜150万円程度が一般的です。iPadOS 26独自の「Liquid Glass」デザインへの最適化や、進化したマルチタスク機能への対応には専門スキルが求められます。
主な工程別の費用配分目安
- 要件定義・設計(20%):業務フローの整理、iPadの大画面を活かしたUI/UX設計
- デザイン・制作(15%):最新のiPadOSデザインガイドラインへの準拠
- 実装・開発(50%):プログラミング、外部システム(API)連携、サーバー構築
- テスト・検証(10%):複数世代のiPad実機を用いた動作確認、デバッグ
- 導入・ストア登録(5%):Apple Developer Program登録料、インフラ初期設定
3. 開発手法の選択と権利の重要性
外注時に「スクラッチ」か「ノーコード」かを選択する際は、費用だけでなく権利関係の考慮が必要です。
スクラッチ開発(資産形成・SaaS向け)
ソースコードの権利を自社に帰属させることで、将来的にアプリを他社へライセンス販売(SaaS化)することが可能です。
ノーコード開発(自社利用・MVP向け)
自社内での効率化や、アイデアの検証(MVP開発:Minimum Viable Product:最小限の機能で市場の反応を確認する製品開発手法)では、コストを約50%〜80%抑制できる場合があります。ただし、ツール側の制約により、独自のコードとして権利を持ち出せないケースがある点に注意が必要です。
4. iPadOS 26対応と年間保守費用
iPadアプリは完成して終わりではなく、毎年のOSアップデートへの追随が不可欠です。
最新OSへの最適化
iPadOS 26で導入された新しいウィンドウシステムやデザインへの対応には、継続的なアップデート工数が発生します。
保守運用の費用相場
年間の保守・運用費用は、一般的に開発費の10%〜20%が適正水準です。これにはサーバー維持やセキュリティ対策も含まれます。
2026年のiPadアプリ開発:費用相場と資産性の判断ポイント
iPadアプリ開発の外注費用は、iPadOS 26の高度な機能への対応や、デバイス特有のUI最適化により、iPhone向けよりも工数が嵩むことがあります。改めて、検討時に押さえておくべき金銭面のポイントを整理しておくことをおすすめします。
iPadアプリ開発の外注では、初期の開発費用だけでなく、将来的な「資産性(ソースコードの権利)」や「OS更新への対応」までを予算計画に組み込んでおくことも重要です。
プロジェクトの進め方や、技術的な機能実装の可否や、お見積もり依頼、ご相談などございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。情報交換のみでのご連絡も歓迎しております。

