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2024年11月22日

アプリ開発の外注完全マニュアル|依頼時のリスクやトラブル防止策について解説


アプリ開発の外注完全マニュアル|依頼時のリスクやトラブル防止策について解説

アプリ開発を外注することで、社内のリソース不足を補い、効率的に高品質なアプリを開発することが可能です。

しかし、現状開発の外注で起こるトラブル、納期遅延や追加コスト、不満足な成果物など、今だによく耳にします。本記事では、アプリ開発を外注する際の完全マニュアルとして、依頼時の手順やリスク、トラブル防止策について詳しく解説します。

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1. アプリ開発を外注するメリットとリスク

【メリット】

  • コスト削減:外注により、社内で新たに専門人材を採用するコストを削減可能。
  • スピードアップ:専門知識を持つ外注先の力を借りることで、開発を効率的に進められる。
  • 専門性の活用:最新の技術やデザイントレンドを活かしたアプリを開発できる。

【リスク】

  • 納期遅延:スケジュール管理が甘い場合、納期が大幅に遅れることがある。
  • 品質の問題:期待通りの機能やデザインが実現できないリスク。
  • 追加費用の発生:要件が不明確なまま進めると、仕様変更などにより追加費用が発生する可能性。
  • コミュニケーション不足:仕様の解釈違いや、進捗確認の不足によるトラブル。

2. アプリ開発外注の基本手順

アプリ開発をスムーズに外注するためには、以下の手順に従うことが重要です。

◆要求定義と抽象的な仕様の策定

要求定義の内容を書いた図です。

まずは開発会社に相談する前に要求定義を行います。要求定義とは、開発するアプリでユーザーのどのような課題を解決したいのか、どのような価値を提供したいのかを洗い出し文書化するプロセスのことです。

一番最初に大事なことは、こちらの考えを開発会社に正しく伝えることです。

顕在的、潜在的なユーザーのニーズを汲み取り、アプリの核を定めます。可能な限り具体的に書き出していくことで、開発会社と進める際に方向性が揃いやすくなります。

アプリの核が定まったら、目的を達成するためにどのような機能が必要かリストアップしてみましょう。開発会社に相談した際、どのような機能が必要かの相談も応じてくれると思いますが、まずはこちらで必要な機能を考えまとめておくことで、何がしたいのかを伝えやすくなります。

また可能であれば、どのような画面が必要かも洗い出しておけるとベストです。もし初めてのアプリ開発でしたら、いろんなアプリを見て、イメージに近いアプリがあればどのような機能や画面が必要か参考にして割り出すのもいいでしょう。

◆外注先の選定

外注先を選ぶ際には、技術力や実績、コミュニケーション能力を重視します。以下の基準で選定を進めましょう。

実績

過去の開発事例やポートフォリオを確認します。開発したいアプリに類似した開発事例があれば、より深い提案をいただける可能性があります。その他、開発事例の中で良いと思うUI/UXがあれば留めておきましょう。

提案力

外注を活用してアプリを成長させていくには、正しい知識を持った優れた開発会社の提案をもらうことはとても重要です。クライアントのプロジェクト成功のために、より親身にかつ的確な提案をし続けてもらえるかをこの段階で判断しましょう。

前項で策定した要求定義や必要な機能、画面などを開発会社に提示し、過不足はないかなど提案してもらいましょう。

この段階で、概算ではありますがお見積りを取得することも可能です。概算お見積り金額も重要ですが、プロジェクトの進め方やサポート内容(保守・運用の可否、可の場合のその範囲、必要があればマーケティング)も開発会社によって様々な提案がありますので、その上でより真摯に向き合ってくれる会社を選ぶことが一番大切です。

アプリの構築方法の確認

アプリ構築方法の比較の図です。スクラッチ開発とカスタマイズ開発を比較しています。

選定するにあたり、どのように構築するのか、スクラッチ開発か、カスタマイズ開発かも確認します。スクラッチ開発は、1から開発を行うため初期費用が大きくなりますが、機能追加などの拡張性の自由がメリットです。カスタマイズ開発は既存の他社のシステムを利用して機能を構築する方法です。初期費用を抑えられたり開発スケジュールを短縮できたりもありますが、リリース後ライセンス費用が必要になるケースもあり、そのシステムのベンダーに依存する形になると保守運用フェーズで何らかの理由でリプレイスしたいとなっても難しい場合があります。

それぞれ一長一短ですが、仮に初期費用を抑えるためにカスタマイズ開発を選択しても、ランニングコストがプロジェクトを圧迫することがないように確認しましょう。

また、スクラッチ開発であってもシステムの著作権(加えて著作権に関するその他の権利、翻訳権・翻案権、二次的著作物の利用権)の譲渡に関しても納品後自社に移るかどうかも確認し、契約書にも記載してもらうようにしましょう。

◆契約

基本契約書

外注先の選定が完了しましたら、契約に移ります。まずは基本契約書で、取引全体の基本的なルールを定めます。(取引の基本条件、一般的な責任範囲、支払条件の原則、契約期間、契約解除条件など)

NDA(秘密保持契約書)

後に要件定義へ移りますが、その前にNDA(秘密保持契約)も必要です。外注先の選定時、打ち合わせに入る前に各社と結ぶのが良いでしょう。取引過程で知り得た機密情報を第三者に漏らさないことを約束する契約になります。

個別契約書

基本契約書で取引全体の基本的なルールをまとめたら、以降のフェーズでは個別契約書を別途結びます。スピーディにプロジェクトを進めるために、発注書を個別契約書とするケースも多いです。その場合、基本契約書に「個別の取引は発注書によって行う」と規定します。次のフェーズは要件定義になりますので、要件定義に関する個別契約書を締結しましょう。

◆要件定義を明確にする

外注先に依頼する前に、アプリの目的や機能、対象ユーザーを明確にします。要件定義が不十分だと、仕様変更や手戻りが発生しやすくなり、コストや納期の超過につながります。

要件定義のポイント

  • アプリの目的(例:ECサイト構築、業務効率化、プロモーション)
  • 主な機能(例:ログイン機能、チャット、決済機能)
  • デザイン要件(例:企業ブランドに合ったUI/UX)
  • 対応プラットフォーム(iOS、Android、Webなど)
  • 開発の優先順位(必要不可欠な機能と将来追加可能な機能を明確に)

要件定義を終え、基本設計、詳細設計、WF(ワイヤーフレーム)作成など細かく決まりましたら、開発会社は正式なお見積りを作成します。ご予算を超えるようなことがあれば、予算内に収められるよう機能や仕様の調整を行います。問題なく進められると判断できましたら、開発・実装フェーズに移ります。

◆テストとフィードバック

完成したアプリが仕様通りに動作しているか、ユーザー視点で操作性に問題がないかを徹底的にテストします。

また、不具合や改善点があれば、リリース前に修正を依頼します。

◆リリースと保守

アプリを無事リリースした後も、保守や追加機能開発を想定したサポート体制を確保します。

不具合の修正やユーザーからのフィードバック対応など、運用フェーズでのサポートが重要です。

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3. アプリ開発のトラブル防止策

アプリ開発を外注する際、トラブルを防ぐための具体的な対策を紹介します。

◆コミュニケーションを密に取る

外注先とのコミュニケーション不足は、仕様の解釈違いや進捗遅れの原因になります。

定期的な進捗確認ミーティングを行い、以下の点を共有しましょう。

  • 現在の進捗状況
  • 発生している課題や解決策
  • 次のフェーズの計画

◆仕様書や設計書を作成する

具体的な仕様や設計内容をドキュメント化することで、誤解を防ぎます。

ドキュメントがあれば、後から仕様変更が発生した際の対応もスムーズです。

◆テスト工程を軽視しない

リリース直前のテスト工程を軽視すると、不具合が見落とされるリスクがあります。

開発段階からテスト計画を立て、機能テスト、操作性テスト、セキュリティテストを実施しましょう。

◆追加費用や納期変更に備える

仕様変更が発生する可能性を考慮し、契約書に追加費用や納期変更の対応条件を明記しておきます。

また、プロジェクトの初期段階で優先順位をつけ、必須機能と追加機能を分けておくと、仕様変更の影響を最小限に抑えられます。

◆バックアッププランを用意する

外注先にトラブルが発生した場合のために、バックアッププランを用意しておきます。

例えば、途中で別の外注先に引き継ぐ場合に備えて、進行中のデータや仕様書を適切に管理しておくことが大切です。

4. アプリ開発の外注費用相場

アプリ開発の費用は、アプリの種類や機能、開発期間によって異なります。以下は一般的な費用相場の目安です。

◆小規模アプリ

機能の想定

  • 会員登録・ログイン
  • マイページ
  • データベース連携(CRUD)
  • プッシュ通知
  • 管理画面(Web)
  • iOS/Android両対応

アプリ例

  • 会員制アプリ
  • 簡易ECアプリ
  • 予約管理アプリ
  • ポイント管理アプリ

開発期間

3〜5ヶ月

費用内訳

  • 要件定義: 40万円
  • 設計(基本+詳細設計): 60万円
  • デザイン: 45万円
  • 開発(フロントエンド): 150万円
  • 開発(バックエンド): 100万円
  • 環境構築: 25万円
  • 結合試験作成: 17.5万円
  • 結合試験実施: 17.5万円
  • 試験後の修正: 50万円

合計: 505万円

◆中規模アプリ

【中規模アプリ】800万円〜1,500万円

機能の想定

  • 会員登録・ログイン
  • マイページ
  • データベース連携(CRUD)
  • プッシュ通知
  • 決済機能
  • チャット機能
  • 複雑な検索・フィルタ
  • 外部API連携(2〜3種類)
  • レビュー・評価機能
  • 管理画面(Web)
  • iOS/Android両対応

アプリ例

  • 本格ECアプリ
  • マッチングアプリ
  • 業務支援アプリ
  • 予約・決済一体型アプリ
  • CRMアプリ

開発期間

5〜8ヶ月

費用内訳

  • 要件定義: 75万円
  • 設計(基本+詳細設計): 125万円
  • デザイン: 90万円
  • 開発(フロントエンド): 300万円
  • 開発(バックエンド): 225万円
  • 環境構築: 50万円
  • 結合試験作成: 35万円
  • 結合試験実施: 37.5万円
  • 試験後の修正: 100万円

合計: 1,037.5万円

◆大規模アプリ

【大規模アプリ】2,000万円〜5,000万円以上

機能

  • 会員登録・ログイン
  • マイページ
  • データベース連携(CRUD)
  • プッシュ通知
  • 決済機能
  • リアルタイムチャット・通話
  • AI機能(画像認識、レコメンド)
  • 動画ストリーミング
  • 複雑な権限管理
  • データ分析・レポート機能
  • 外部API連携(5種類以上)
  • 多言語対応
  • 高度なセキュリティ対策
  • 管理画面(Web)
  • iOS/Android両対応

アプリ例

  • SNSアプリ
  • 動画配信アプリ
  • フィンテックアプリ
  • IoT連携アプリ
  • 医療・ヘルスケアアプリ

開発期間

8ヶ月〜1年以上

費用内訳

  • 要件定義: 150万円
  • 設計(基本+詳細設計): 300万円
  • デザイン: 180万円
  • 開発(フロントエンド): 600万円
  • 開発(バックエンド): 500万円
  • 環境構築: 125万円
  • 結合試験作成: 87.5万円
  • 結合試験実施: 87.5万円
  • 試験後の修正: 225万円

合計: 2,255万円

まとめ

アプリ開発を外注する際には、明確な要件定義と外注先の適切な選定がプロジェクト成功の鍵となります。

コミュニケーションを密に取り、仕様書やスケジュールを明確化することで、トラブルを未然に防ぎましょう。

また、費用やリスクに備えた計画を立てることで、スムーズな開発が可能になります。

適切な外注先と連携し、ユーザーにとって価値のあるアプリを効率的に開発しましょう。

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オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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