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【2026年最新】医療DX活用事例7選|成功要因やボトルネックについて徹底解説

この記事の要約

医療分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、患者ケアの向上と医療従事者の負担軽減に不可欠です。2030年には医療・福祉業界で187万人の人材不足が見込まれ、医師の時間外労働規制も始まり、業務効率化が急務となっています。

医療DXは現在、電子カルテ導入から次のフェーズへ移行しています。重要なのは医療機関間での情報共有であり、「電子カルテ情報共有サービス」や「電子処方箋」により、診療情報や薬剤情報を医療機関・薬局・患者間でつなぎ、必要な情報を必要な場面で活用できる環境構築が進められています。

代表的な活用例として、オンライン診療システムは患者の移動コストを削減し、AI画像診断は診断時間短縮と精度向上を実現します。統合型医療情報システムは診療情報共有を円滑化し、電子カルテとAIの連携により業務効率化が進んでいます。ウェアラブルデバイス連携型遠隔モニタリングシステムは患者の健康状態をリアルタイム監視し、RPAを活用した事務業務自動化により医療スタッフは患者ケアに集中できるようになりました。

成功の共通点は、既存の医療ワークフローとの円滑な統合設計です。医療従事者が使い慣れた業務フローを大幅に変更することなく、自然にデジタルツールを活用できるよう設計することが重要です。

ボトルネック対策として、高額な初期投資は段階的な導入で軽減し、データセキュリティはゼロトラストモデルで強化します。医療従事者のITリテラシー不足には教育プログラムで対応し、患者のデジタル格差はユニバーサルデザイン採用で解決します。医療機関はシステム導入だけでなく、既存システムとの連携やデータ標準化を含めた設計が求められます。

はじめに

医療分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、患者ケアの向上や医療従事者の負担軽減、業務効率化に大きな可能性を秘めています。(※デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業がデジタル技術を活用して、業務や組織、ビジネスモデル、企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立することです。)

しかし、成功事例と課題を知ることで初めて、DXの真価を引き出すことが可能です。本記事では、最新の医療DX事例を7つ紹介し、成功要因やボトルネックについて徹底解説します。

1. 医療DXの現状と重要性

医療DXが求められる背景

現状、医療業界は医療人材の不足が特に深刻な問題となっています。パーソル総合研究所の労働市場の未来推計によると、医療・福祉業界、2030年には187万人不足との見立てで、他業界と比べても人材不足は深刻です。

出典:労働市場の未来推計 2030 – パーソル総合研究所

また、2025年で団塊の世代が全て75歳以上を迎えました。国内全体的に見ても、人材不足の課題を解決することは特に重要です。

2024年4月には医師の時間外労働に上限規制がかけられました。これまで、時間外労働や休日勤務など多くの負担が医師にかかっていましたので医師にとっては適切な労働時間となることはいいことですが、運営を行う病院側は業務効率化が課題となっています。

こうした背景から、国は「医療DX令和ビジョン2030」を掲げ、医療情報をデジタル化するだけでなく、医療機関や薬局などの間で情報を適切に共有・活用できる環境の整備を進めています。

電子カルテ普及の次のフェーズへ

医療DXの事例は様々ですが、例えば電子カルテの普及については令和5年時点で一般病院の電子カルテシステム普及率は65%、診療所は55%となっています。

出典:「災害かつ再生に役立つ医療 DX―DX推進の現状・課題・展望」をメインテーマに開催 – 日医on-line

しかし、電子カルテを導入するだけでは、医療機関同士で患者情報をスムーズに共有できるとは限りません。医療機関ごとに異なる形式でデータが管理されていれば、情報がデジタル化されていても、別の医療機関でそのまま活用することは難しいためです。

そこで現在は、「電子カルテを導入する」段階から、「電子カルテの情報を標準化し、医療機関や薬局などの間で共有・活用する」段階へと、医療DXの重点が移りつつあります。

その代表的な取り組みが「電子カルテ情報共有サービス」です。同サービスでは、診療情報提供書(紹介状)の電子的な送受信に加え、傷病名、薬剤アレルギー、感染症、検査、処方などの情報を全国の医療機関等や本人が閲覧できる仕組みの整備が進められています。

さらに、電子処方箋や全国医療情報プラットフォームなどの整備も進められており、医療DXは「紙を電子化する」だけではなく、医療機関・薬局・患者などをデータでつなぎ、必要な情報を必要な場面で活用できる環境を構築する段階へ進んでいます。

厚生労働省は、遅くとも2030年には、おおむねすべての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテ導入を目指しています。

電子カルテ情報共有サービスによる医療情報の連携

電子カルテの普及が進む一方で、医療機関ごとに管理されている情報を、必要な場面で他の医療機関や患者本人が参照できるようにすることも重要になっています。

そこで整備が進められているのが「電子カルテ情報共有サービス」です。これは、厚生労働省が推進する「全国医療情報プラットフォーム」の仕組みの一つで、全国の医療機関や薬局などの間で、患者の電子カルテ情報を共有するためのサービスです。

具体的には、診療情報提供書(紹介状)の電子的な共有、健診結果の閲覧、患者の臨床情報の閲覧、患者サマリーの閲覧などが想定されています。臨床情報については、傷病名、薬剤アレルギー、その他のアレルギー、感染症、検査、処方などの情報が対象となります。

例えば、患者が別の医療機関を受診する際、これまでの診療情報が医療機関ごとに分散していると、紹介状や検査結果などを別途確認する必要がありました。電子カルテ情報共有サービスによって情報連携が進めば、患者の同意を前提として、必要な医療情報を医療機関間で共有しやすくなります。

つまり、医療DXの取り組みは「電子カルテを導入して院内の業務をデジタル化する」段階から、「電子カルテに蓄積された情報を、標準化された形で医療機関や薬局、患者本人につなげる」段階へと進みつつあります。

電子カルテ情報共有サービスは、この「医療情報をつなぐ」ための重要な基盤の一つといえるでしょう。

電子処方箋による処方・調剤情報の連携

医療DXにおける情報連携は、診療情報だけでなく、薬剤情報の共有にも広がっています。その代表的な取り組みが「電子処方箋」です。

電子処方箋は、これまで紙で発行していた処方箋を電子化するだけでなく、複数の医療機関や薬局で直近の処方・調剤情報を参照し、重複投薬などのチェックに活用できる仕組みです。患者の同意を前提として、医師・歯科医師・薬剤師が過去の薬剤情報を確認できるため、患者自身のお薬手帳や記憶だけに頼らず、より正確な薬剤情報を共有できるようになります。

電子処方箋の導入は2023年1月から始まり、2026年5月時点では9割以上の薬局に導入されています。一方、医療機関については導入が途上にあり、医療機関と薬局の双方で電子処方箋を活用できる環境を広げていくことが今後の課題となっています。

このように、医療DXは「紙の処方箋を電子化する」という単純なデジタル化から、医療機関や薬局をまたいで薬剤情報を共有し、その情報を診療や調剤に活用する段階へと進んでいます。

電子カルテ情報共有サービスと電子処方箋は、対象とする情報は異なるものの、いずれも医療現場に分散している情報をデジタルでつなぎ、必要な場面で活用するための基盤といえます。

医療DXの今後は「つなぐ」ことが重要に

今後の医療DXでは、個々のシステムを導入することだけでなく、異なる医療機関やシステム間でデータを連携できる仕組みを構築することが重要になります。

そのためには、電子カルテ情報の標準化、標準APIへの対応、クラウド化など、システム間の相互運用性を高める取り組みが欠かせません。厚生労働省も、医科診療所向けの標準型電子カルテについて、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋への対応、標準API、データの互換性などを要件として示しています。

つまり、2026年時点の医療DXは、「デジタル化する」から「つなげる」、そして「蓄積したデータを活用する」段階へ進んでいると捉えることができます。

医療DXを検討する際には、新しいシステムを導入することだけを目的にするのではなく、既存システムとの連携やデータの標準化、現場の業務フローまで含めて設計することが重要です。

2. 代表的な医療DX活用例7選

以下は、昨今の医療業界における成功した最新の医療DX活用例です。

事例1:オンライン診療システムの導入

取り組み内容

オンライン診療プラットフォームを導入し、患者が自宅から医師に相談可能。予約、問診、診察、薬の処方までをデジタルで完結。

成功要因

新型コロナウイルスの影響でオンライン診療の需要が急増。患者の時間と移動コストを削減することが可能になりました。家庭環境の変化や引っ越しなどによる治療離脱の防止が期待できます。デバイスとネット環境があれば、場所を選ばないので、予約が分散され混雑の緩和も期待できます。

ボトルネック

高齢者のデジタルデバイス使用率が低い。

弊社では、株式会社Mediplat様よりオンライン医療相談サービスの開発のご依頼をいただきました。

事例:Firstcall(株式会社Mediplat様)

オンライン診療サービス自体の開発を検討されている方、医療施設独自でサービスを開発されたい施設運営ご担当者様もぜひご相談ください。

事例2:AI画像診断の導入

取り組み内容

AIを活用した画像診断システムを導入し、がんや肺疾患の早期発見を支援。

効果

診断時間の大幅短縮
AIが事前に病変候補箇所を特定し、医師は該当部分のみを確認するだけで済むようになりました。また、AIは高速解析が可能なため、迅速な診断を実現しています。

診断精度の向上
AIは人間では見落としやすい微細な病変をピクセルレベルで検出し、大量の学習データから様々な病変パターンを高精度で識別できます。AIと医師のダブルチェック体制により見落としを防止し、確信度スコア表示で重点確認箇所を明確化することで、がんの早期発見率が向上した事例も報告されています。

ボトルネック

医療従事者のAIリテラシー向上支援が必要です。

事例3:統合型医療情報システム(HIS)の導入

取り組み内容

効果

診療情報共有の円滑化による効率向上
統合システムの導入により、医師の指示が各部署で瞬時に確認できるようになりました。これまで紙ベースで行っていた検査指示や処方箋の伝達が電子化されることで、転記ミスや判読ミスが解消され、患者の待ち時間が減少しました。

医師間コミュニケーションの改善
電子カルテによる情報のデジタル化で、データ閲覧・共有が瞬時に可能になり、診療科を越えた患者情報の連携がスムーズになりました。定型文やテンプレートの活用により、紹介状や診断書の作成業務も効率化され、医師の負担軽減にもつながっています。

ボトルネック

高額な導入費用による中小病院への負担
病院の情報システム関連経費が増加し、特にコロナ禍以降の厳しい病院経営を圧迫しています。各病院が独自にカスタマイズしたシステムの大規模更改が必要になるため、物価・人件費上昇の中でシステム関連費用が高騰し、中小病院には導入のハードルが高くなっています。また、システム人材の確保も困難になっており、導入後の運用・保守体制の構築も課題となっています。

事例4:電子カルテとAIの連携

取り組み内容

電子カルテにAI分析機能を追加し、患者の症状、検査結果、既往歴などの情報を元に、医師の治療計画をサポートし提案を自動化。

効果

治療ミスの大幅削減、業務効率化
AIによる診療支援では、電子カルテ等に蓄積された情報を活用して、医師の記録作成や情報整理、診療上の判断を支援する活用が進んでいます。

また業務効率化という点で、厚生労働省の資料によると退院時サマリー作成時間が平均42.5%減少した事例もあります。

参考:厚生労働省「医療機関の業務効率化。職場環境改善の推進に関する論点」

患者満足度向上の実現
診療記録の音声入力、自動文書化により医師の事務作業時間を削減し、医師が患者ケアに費やす時間が増加しました。また、AI問診システムにより診察時間を短縮することで患者の待ち時間も短縮され、総合的な患者の利便性が向上しています。

ボトルネック

大量の学習データ確保の困難
AIが学習するためには大量の正解データが必要ですが、希少疾患や症例のデータは必然的に少なく、データの偏りによって特定の患者層への適用が難しくなるリスクがあります。AIへの期待値のコントロールは必要で、あくまで医師の判断をサポートするAIという認識であるべきと考えられます。

事例5:ウェアラブルデバイス連携型遠隔モニタリングシステムの構築

取り組み内容

慢性疾患患者を対象に、ウェアラブルデバイスと連携した遠隔モニタリング(RPM:リモート・ペイシェント・モニタリング。遠隔地から患者の健康状態をモニタリングすることです)システムを構築。

心拍数、血圧、血糖値などのバイタルデータをリアルタイムで収集し、異常値を検知した際に医療従事者に自動通知する仕組み。

成功要因

患者の健康状態をリアルタイムで監視し、異常を早期発見。通院回数を削減。

ボトルネック

デジタルツール操作の困難
一部の患者、特に高齢者がデジタルツールの操作に困難を感じるケースがあります。スマートフォンやパソコンの操作に慣れていない患者に対しては、サポート体制の整備や操作説明会の開催などの追加対応が必要になっています。

事例6:電子処方箋による処方・調剤情報の連携

電子処方箋は、紙の処方箋を電子化するだけでなく、処方・調剤に関する情報を医療機関や薬局の間で連携し、重複投薬や併用禁忌などのチェックに活用できる仕組みです。

電子処方箋に対応した医療機関や薬局では、患者の同意に基づいて過去の薬剤情報を確認できるほか、他の医療機関などで処方された薬との重複や、併用禁忌の関係にある薬剤についてチェックを行えます。これにより、患者が複数の医療機関を受診している場合でも、薬剤情報を確認したうえで処方・調剤を行いやすくなります。

厚生労働省では、電子処方箋等の活用によって、重複投薬の回避や併用禁忌の防止、投与量の適正化などにつながった実際の事例を公開しています。例えば、福岡大学病院では直近の薬剤情報を確認することで重篤な出血患者や心筋梗塞患者の救命につながった事例、大阪大学医学部附属病院では直近の薬剤情報を把握したうえで適切な治療管理につながった事例が紹介されています。

また、薬局においても、過去の薬剤情報を確認することで併用禁忌や重複投薬を回避した事例などが公開されています。電子処方箋によって処方・調剤情報を医療機関や薬局の間で連携することで、薬剤情報をより正確に把握し、適正な薬物治療を支援できる点が大きなメリットです。

電子処方箋は、単に処方箋を紙から電子データへ置き換えるだけの取り組みではありません。医療機関や薬局に分散していた処方・調剤情報を「つなぐ」ことで、医療安全や業務効率の向上につなげる医療DXの取り組みといえるでしょう。

事例7:RPAを活用した事務業務の自動化

取り組み内容

医療事務にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウェアロボットが、ルール化された定型業務を人間に代わって自動で実行する技術です)を導入。保険請求や患者データ入力を自動化。

成功要因

事務作業時間の大幅削減
繰り返し行う膨大な量の単純業務をRPAが代わって処理することで、医療スタッフを長時間労働から解放できました。従来手作業で行っていたデータ入力や書類作成業務が自動化され、スタッフはより専門的で価値の高い患者ケア業務に集中できるようになっています。

入力ミス減少の実現
人間による手作業では避けられなかった転記ミスや計算ミスを、RPAの導入により大幅に削減できました。システム間でのデータ連携が自動化されることで、データの整合性が保たれ、医療事故のリスクも軽減しています。

ボトルネック

複雑業務フローの自動化の限界
現在のRPA技術では、判断を伴う複雑な業務フローや例外処理が発生する業務の完全自動化には限界があります。イレギュラーなケースや複数システムを跨ぐ複雑な処理については、追加のシステム開発や人間による判断が必要となり、導入コストと時間が増加する課題があります。

3. 成功要因の共通点

既存の医療ワークフローとの円滑な統合設計が成功の鍵となっています。どの事例も、医療従事者が従来使い慣れた業務フローを大幅に変更することなく、自然にデジタルツールを活用できるよう設計されており、導入時の抵抗感を最小限に抑えながら効果を最大化することに成功しています。

AIやRPAなどの最新技術を活用することは効果的ですが、実際の現場の医療従事者の方やユーザーとなる患者さんがストレスなく使ってもらえるかはどのシステムにおいても重要なポイントと考えます。

導入後の運用支援として、継続的な研修やサポート体制の整備を行うことや、段階的導入による現場の負担軽減も考慮すると良いでしょう。

4. 医療DXのボトルネックと解決策

(1)高額な初期投資

解決策:段階的なシステム導入によるコスト分散を基本とし、適用可能な補助金制度を個別に検討します。

医療DX導入時の高額な初期投資負担を軽減するため、一度にすべてを変更するのではなく、電子カルテ→統合システム→AI連携といった段階的なアプローチを取ることで、初期費用を分散し、各段階での効果を確認しながら進めることができます。

補助金については、医療機関の形態(個人事業主、医療法人、社会医療法人等)や導入するシステムの内容によって適用可能性が大きく異なるため、具体的なケースに応じて最適な制度を検討する必要があります。また医療機関向けに医療DXとしてSaaS(サービスとして提供されるソフトウェア。クラウド上で提供され、ユーザーがインターネット経由でアクセスするモデルです)を提供されており、そのSaaSの開発費用でものづくり補助金の申請を行うことは検討可能です。

補助金の適用可能性や申請サポートについては、弊社パートナーと連携してご相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。

(2)データセキュリティ

解決策:ゼロトラストセキュリティモデルやデータ暗号化を導入します。

ゼロトラストセキュリティとは「何も信頼しない」を前提に、すべてのアクセスや通信に対して継続的に検証を行うセキュリティモデルです。従来の「内部ネットワークは安全」という境界防御の考え方を改め、内部・外部を問わずすべてのユーザーやデバイスを検証し、最小権限でのみアクセスを許可します。

具体的には、継続的な認証・認可、ネットワークのマイクロセグメンテーション、全通信ログの可視化・監査、リスクベースのアクセス制御などを組み合わせて実現します。医療機関では多様化するサイバー攻撃への対応として、このゼロトラストの考え方を参考にした対策強化が求められています。

加えて、患者データの暗号化、定期的なセキュリティ監査、スタッフ向けセキュリティ教育の実施により、多層防御体制を構築することが重要です。

また、2026年6月に厚労省は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」を公表しました。さらに、医療機関・薬局向けのサイバーセキュリティ対策チェックリストも2026年6月版へ更新されています。さらに厚労省は2026年5月、高性能AIの悪用リスクも踏まえた医療機関のサイバーセキュリティ対策強化について注意喚起しています。

その内容を踏まえ、医療情報システム安全管理ガイドラインの遵守、アクセス制御、多要素認証、バックアップ、インシデント対応、BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン。事業継続計画のことで、障害時に事業を継続させるための対策です)、サプライチェーン/委託先管理、脆弱性管理などもセキュリティにおいて重要なキーワードになるでしょう。

(3)医療従事者のITリテラシー不足

解決策:システム導入時に包括的な教育プログラムを提供します。

医療従事者のITスキル向上のため、段階的かつ継続的な教育体制を整備します。システム導入前には基本操作研修を実施し、導入後は実際の業務フローに沿った実践研修を行います。また、職種別(医師・看護師・事務員等)や習熟度別に研修内容をカスタマイズし、一人ひとりのペースに合わせた学習をサポートします。

さらに、システムベンダーによる定期的なフォローアップ研修や、院内での「デジタル推進リーダー」の育成により、継続的なスキル向上と問題解決ができる体制を構築します。オンライン学習プラットフォームの活用により、時間や場所に制約されない柔軟な研修環境も提供し、医療従事者の負担を最小限に抑えながら効果的な教育を実現します。

(4)患者のデジタル格差

解決策:高齢者やデジタル弱者にも使いやすいUI/UXを設計します。

患者向けシステムでは、年齢やデジタルスキルに関係なく誰もが簡単に操作できるユニバーサルデザインを採用します。画面を見て直感的に何をすべきかを判断できるよう、色使い、文字サイズ、ボタン配置などで利用者の心理を適切に誘導するUIデザインを実装し、マニュアルを読まなくても操作できる設計を目指します。

具体的には、大きな文字とボタン、分かりやすいアイコン、シンプルな画面構成を採用し、操作手順を最小限に抑えます。また、音声ガイダンス機能や多言語対応、操作サポートのためのヘルプデスク設置により、様々な患者層がデジタルサービスを安心して利用できる環境を整備します。さらに、患者ポータルサイトには操作説明動画や段階的なチュートリアル機能を組み込み、利用者が自分のペースで操作方法を習得できるようサポートします。

まとめ

医療DXは、医療現場の効率化や患者体験の向上に不可欠な取り組みです。成功事例を参考に、課題を解決しながらDXを推進することで、持続可能な医療環境を構築できます。

これからの医療現場では、技術と人間の知恵を融合させた新しい価値創造が求められます。

こちらの記事では、大まかな指針となるようご覧いただきましたが、各医療施設ごとでより業務にフィットした形でDXを推進できるようスクラッチで開発を進めております。医療DX推進を検討されている企業様はぜひ弊社にご連絡ください。

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オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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