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2026年5月27日

クラウドインフラとは|主要サービス一覧とそれぞれの違い

クラウドインフラとは

クラウドインフラの基本概念

クラウドインフラとは、インターネット経由でサーバー・ストレージ・ネットワークといったITリソースを利用できる仕組みのことです。従来は自社で物理的な機器を購入・設置して運用する必要がありましたが、クラウドインフラを利用することで、必要な時に必要な分だけITリソースを借りる形で利用できるようになります。

料金体系は従量課金制が一般的で、使った分だけ支払う形になっています。例えば、サービス開始当初は小規模でスタートし、利用者が増えてきたら徐々にリソースを増やすといった柔軟な運用が可能です。

オンプレミスとの違い

従来の自社運用型(オンプレミス)とクラウドインフラには、いくつかの違いがあります。

初期投資

オンプレミスでは、サーバーやストレージといった物理機器の購入が必要で、数百万円から数千万円単位の初期投資が発生します。一方、クラウドインフラは物理機器の購入が不要で、月額料金だけで始められます。

拡張性・柔軟性

オンプレミスでリソースを増やす場合、新たな機器を購入し、設置・設定する必要があり、数週間から数ヶ月かかることもあります。クラウドインフラでは、管理画面から数分でリソースを追加できます。

運用保守の負担

オンプレミスでは、機器の故障対応、セキュリティパッチの適用、バックアップといった運用保守作業をすべて自社で行う必要があります。クラウドインフラでは、物理機器の保守はサービス提供者が担当するため、自社の負担は軽減されます。

セキュリティ・データ管理

オンプレミスでは、データは自社内にあるため、物理的な管理は自社で完結します。クラウドインフラでは、データはサービス提供者のデータセンターに保管されるため、信頼できる事業者を選ぶことが重要になります。近年では、データを国内で管理したいというニーズに応えて、国内リージョン(データセンター拠点)を持つサービスも増えています。

クラウドインフラの種類

クラウドインフラには、提供される範囲によって「IaaS」「PaaS」「SaaS」という3つの形態があります。どの範囲までをサービス提供者が管理し、どこから利用者が管理するかが異なります。

IaaS/PaaS/SaaSの違いと使い分け

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、サーバー・ストレージ・ネットワークといったインフラ基盤をクラウド上で提供するサービスです。

利用者が管理する範囲は、OS、ミドルウェア、アプリケーションです。つまり、ハードウェア以外のほぼすべてを自分たちで設定・管理します。提供者が管理するのは、物理機器の保守・運用のみです。

最も自由度が高く、細かなカスタマイズが可能ですが、その分だけ技術的な知識と運用負荷が必要になります。

代表的なIaaSサービス:Amazon EC2、Azure Virtual Machines、Compute Engineなど

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは、アプリケーション開発に必要なプラットフォーム(開発環境)を提供するサービスです。

利用者が管理するのは、アプリケーション本体のみです。OS、ミドルウェア、インフラは提供者が管理するため、開発者はアプリケーションの開発に集中できます。

IaaSと比べると自由度は下がりますが、運用負荷を大きく減らせる点が特徴です。

代表的なPaaSサービス:Azure App Service、Google App Engine、AWS Elastic Beanstalk、Herokuなど

SaaS(Software as a Service)

SaaSは、アプリケーションそのものをクラウド経由で提供するサービスです。

利用者が行うのは、データ入力・設定のみです。インフラからアプリケーションまで、すべての管理を提供者が担当します。

代表的な例としては、Gmail、Salesforce、Microsoft 365などがあります。すぐに使い始められる反面、カスタマイズの自由度は限られます。

代表的なSaaSサービス:Gmail、Salesforce、kintoneなど

具体的なユースケース例

どのサービス形態を選ぶかは、プロジェクトの特性によって変わります。

IaaSが向いているケース

  1. ● 自社で独自のシステムを構築したい場合
  2. ● 既存のオンプレミスシステムをそのままクラウドに移行したい場合
  3. ● 細かなカスタマイズや特殊な設定が必要な場合

Webサービスやモバイルアプリのバックエンドシステムなど、柔軟な構成が求められるプロジェクトでは、IaaSが選ばれることが多いです。

PaaSが向いているケース

  1. ● アプリケーション開発に集中したい場合
  2. ● インフラ管理の負担を減らしたい場合
  3. ● 開発スピードを重視する場合

スタートアップや小規模チームなど、インフラ運用に人員を割けない環境では、PaaSが適しています。インフラの管理の手間が少なく、開発スピードを上げやすいメリットはありますが、自由度はIaaSより低くアクセス数やスケール設定によっては想定より費用が増えるなどコストが読みにくい懸念点もあります。

SaaSが向いているケース

  1. ● すぐに使えるサービスが欲しい場合
  2. ● 標準的な機能で十分な場合
  3. ● 運用負荷を最小限にしたい場合

メール、グループウェア、勤怠管理といった、業務の標準的な機能であれば、SaaSを利用することで導入の手間を省けます。

主要なクラウドサービス一覧

3大クラウドサービス(AWS、Azure、Google Cloud)

クラウドインフラ市場では、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformの3社が大きなシェアを占めています。

AWS(Amazon Web Services)

AWSは、2006年にAmazonが開始した、最大規模のクラウドサービスです。市場シェアは現在約28%(近年は30%前後から低下傾向)で、世界で最も利用されているクラウドサービスと言えます。

提供しているサービス数は200以上と非常に多く、サーバー、ストレージ、データベース、AI、IoTなど、ほぼすべてのITニーズに対応できる幅広さが特徴です。

オプスインでも、多くのプロジェクトでAWSを採用しており、さまざまな開発実績があります。

Microsoft Azure

Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスで、市場シェアは約20〜21%です。

最大の特徴は、Microsoft製品(Office 365、Active Directory、Windows Serverなど)との統合性の高さです。既にMicrosoft製品を社内で利用している企業にとっては、スムーズに導入しやすい環境が整っています。

また、Azure Arcを使ったハイブリッドクラウド管理にも強みがあり、オンプレミスとクラウドを組み合わせた運用を検討している企業に適しています。

Google Cloud Platform(GCP)

Google Cloudは、Googleが提供するクラウドサービスで、市場シェアは約13〜14%です。

特に、コンテナ管理技術であるKubernetesの生みの親として、コンテナ基盤の運用に強みを持っています。また、Google Cloudは、BigQueryによる大規模データ分析基盤や、Vertex AIによるAI・機械学習モデルの開発・運用環境が充実しており、データ活用やAI開発を重視するプロジェクトで選ばれやすいクラウドです。

3大クラウドサービスの違い

3つのクラウドサービスは、それぞれ得意分野や特徴が異なります。プロジェクトの性質に合わせて選ぶことが重要です。

得意分野・特徴の比較

AWSは、幅広いサービス群と細かなインフラ制御が特徴です。AIモデルについても、ClaudeやLlamaなど複数のモデルを柔軟に切り替えて利用できる環境が整っています。

Azureは、Microsoftエコシステムとの連携が最大の強みです。Microsoft 365やGitHub、Windows環境を既に利用している企業であれば、認証基盤やユーザー管理をそのまま活用できます。

Google Cloudは、Kubernetesによるコンテナ管理、BigQueryを活用したデータ分析、Vertex AIによるAI・機械学習といった、特定の技術分野で優れた環境を提供しています。

複雑さの違い

AWSは、サービス数が200以上と非常に多いため、初めて触れる方にとっては複雑に感じられるかもしれません。学習曲線は急峻ですが、その分だけ柔軟な構成が可能です。

Azureは、Microsoftエコシステムへの依存度が高く、既存のMicrosoft製品との統合を前提とした設計になっています。Microsoft製品に慣れている方には親しみやすい一方、そうでない場合は独特の概念に慣れる必要があります。

Google Cloudは、サービス数は比較的少ないものの、Google独自の技術や概念があるため、学習が必要です。ただし、データ分析やコンテナ技術に関しては、直感的なインターフェースが用意されています。

コストの違い

AWSは、複雑な割引プランが用意されており、予約インスタンスやSavings Plansなどを活用することでコストを抑えられます。ただし、プラン選択を誤ると予期せぬ課金が発生することもあるため、注意が必要です。

Azureは、「Hybrid Benefit」という、既存のMicrosoftライセンスを活用できる割引制度があります。コストの予測可能性は中程度で、Microsoft製品を既に保有している企業であれば有利です。

Google Cloudは、自動割引が適用される仕組みがあり、長期利用すると自動的に割引が受けられます。3社の中では比較的コストの予測がしやすいと言われています。

エコシステムの違い

AWSは、最も歴史が長く利用者も多いため、サードパーティのツールやサービスとの連携が充実しています。開発者コミュニティも活発で、情報が豊富に得られます。

Azureは、Microsoft製品を既に利用している企業にとっては、既存の環境をそのまま活かせる点が大きなメリットです。Active Directoryでのユーザー管理、Visual Studioでの開発など、Microsoftツールとの親和性が高いです。

Google Cloudは、データサイエンスやAI開発のためのツールが充実しており、TensorFlowなどのオープンソース技術との連携もスムーズです。

その他のクラウドサービス

3大クラウド以外にも、特定の用途や地域に特化したクラウドサービスが存在します。

Oracle Cloud

Oracle Cloudは、企業向けERP・データベース分野で強みを持つクラウドサービスです。

世界市場シェアは約3%ですが、Oracle Databaseなど、Oracle製品を既に利用している企業にとっては、スムーズに連携できる選択肢となります。

IBM Cloud

IBM Cloudは、エンタープライズ向けに特化したクラウドサービスです。ハイブリッドクラウド戦略を重視しており、オンプレミスとクラウドを組み合わせた運用を検討している大企業に適しています。

国内クラウドサービス

データを国内で管理したいというニーズに応えて、国内事業者が提供するクラウドサービスも選択肢の一つです。

さくらインターネットは、2026年に国内事業者として初めて複数年度でガバメントクラウドに採択されました。政府や公共機関向けのプロジェクトはもちろん、データ主権や国内法規対応を重視する民間企業にとっても、検討に値する選択肢です。

AI特化型クラウド

2026年現在、AIブームを背景に、AI専用のインフラを提供する新興クラウドプロバイダーが急成長しています。

代表的なのがCoreWeave、Crusoe、Nebius、Lambdaといった企業が、AIワークロード専用のGPUインフラを提供しています。

AI・機械学習プロジェクトに特化している場合、こうした専門プロバイダーを検討する価値があります。

クラウドサービスの選び方

プロジェクト特性別の選択基準

クラウドサービスを選ぶ際には、自社のプロジェクト特性に合わせて検討することが大切です。

既存システムとの連携を重視する場合

既にMicrosoft製品(Office 365、Active Directoryなど)を社内で利用している場合は、Azureを選ぶことで認証基盤やユーザー管理をそのまま活用できます。

Oracle製品(Oracle Databaseなど)を利用している場合は、Oracle Cloudが親和性が高いです。

特定のベンダーに依存せず、自由に選びたい場合は、AWSやGoogle Cloudが適しています。

開発体制・技術力で選ぶ場合

エンジニアリソースが豊富で、細かく制御したい場合は、AWSが選択肢になります。幅広いサービス群を活用して、柔軟なシステム構成を実現できます。

開発に集中したい、インフラ管理を任せたいという場合は、PaaS寄りのサービスを選ぶと良いでしょう。各クラウドサービスには、インフラ管理を自動化する機能が用意されています。

データ分析やAI開発が中心のプロジェクトであれば、Google Cloudのツール群が充実しています。

データの扱い方で選ぶ場合

データを国内で管理したいという要件がある場合は、国内クラウドや、AWS・Azureの国内リージョンを選ぶことで対応できます。

政府・公共機関向けのプロジェクトであれば、ガバメントクラウドに対応したサービス(さくらインターネットなど)を検討する必要があります。

AIワークロードの有無で選ぶ場合

AI・機械学習が中心のプロジェクトであれば、Google CloudやAI特化型クラウドが選択肢になります。

複数のAIモデルを柔軟に使い分けたい場合は、AWSが対応しています。

ただし、AIワークロードでは、GPU利用料やデータ転送費用が想定外に膨らむことがあります。学習1回あたり、推論100万リクエストあたりといった単位でコストモデルを早期に策定しておくことが推奨されます。

コスト・運用・エコシステムの観点

コストの考え方

クラウドインフラは従量課金制が基本です。使った分だけ支払う仕組みなので、初期投資を抑えられる反面、利用量が増えると月額費用も増加します。

特に注意が必要なのは、データ転送費用です。クラウドからインターネットへデータを送信する際に発生する費用で、動画配信やAPIの大量アクセスなど、データ転送量が多いサービスでは、思わぬコストになることがあります。

予約割引や自動割引を活用することで、コストを抑えられる場合もあります。AWSの予約インスタンス、Azureの予約、Google Cloudの自動割引など、各サービスに用意されている割引制度を確認しておきましょう。

運用負荷の考慮

IaaSは柔軟性が高い反面、OS管理、セキュリティパッチ適用、バックアップといった運用作業が必要です。自社で運用体制を確保できるかどうかを検討しましょう。

PaaSを選ぶと、インフラ運用の多くを任せられますが、その分だけカスタマイズの自由度は下がります。開発したいアプリケーションが、PaaSの制約内で実現できるかを確認する必要があります。

自社の運用体制に合わせて、どこまでを自分たちで管理し、どこから任せるかを決めることが重要です。

エコシステムの確認

既存ツールとの連携が可能かどうかも、選定時の重要なポイントです。例えば、GitHubでソースコードを管理している場合、各クラウドサービスとの連携のしやすさを確認しておくと良いでしょう。

開発者コミュニティの充実度も参考になります。AWSは利用者が多いため、日本語の情報も豊富に得られます。

日本語サポートの有無や、サポート体制も確認しておきたい項目です。

初めてクラウドを選ぶ際の注意点

スモールスタートを心がける

初めてクラウドを導入する場合は、まずは小規模なプロジェクトで試してみることをお勧めします。いきなり大規模なシステムをクラウドに移行するのではなく、一部の機能や開発環境から始めて、徐々に拡大していく形が安全です。

ベンダーロックインのリスクを理解する

クラウドサービスには、そのサービス独自の機能(AWSのLambda、AzureのActive Directory連携など)が数多くあります。こうした独自機能を多用すると、将来的に別のクラウドサービスへ移行する際に、大きな手間がかかる可能性があります。

すべての独自機能を避ける必要はありませんが、どの程度まで特定のクラウドに依存しているかを把握しておくことは大切です。

複数クラウドの併用(マルチクラウド)も選択肢

リスク分散や、それぞれの得意分野を活かすために、複数のクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」という選択肢もあります。

例えば、データ分析基盤はGoogle Cloud、Webアプリケーション基盤はAWS、といった形で使い分けることができます。

ただし、複数のクラウドを管理する必要があるため、運用負荷は増加します。自社の体制で管理できる範囲かどうかを慎重に判断しましょう。

まとめ

クラウドインフラは、Webサービスやモバイルアプリ開発において、もはや欠かせない選択肢となっています。初期投資を抑えながら、柔軟にリソースを拡張できる点は、プロジェクトを進める上で大きなメリットです。

IaaS・PaaS・SaaSという提供形態の違いを理解し、自社のプロジェクト特性に合わせて選ぶことが第一歩です。

主要な3大クラウド(AWS、Azure、Google Cloud)は、それぞれ得意分野が異なります。既存システムとの連携、開発体制、データの扱い方、AIワークロードの有無といった観点から、自社に適したサービスを検討してみてください。

また、3大クラウド以外にも、Oracle Cloud、国内クラウド、AI特化型クラウドといった選択肢があります。特定の要件がある場合は、こうした専門的なサービスも視野に入れると良いでしょう。

初めてクラウドを選ぶ際は、スモールスタートを心がけ、小規模なプロジェクトで試しながら徐々に拡大していくことをお勧めします。

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オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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