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2020年7月4日

趣味に特化したSNSの魅力、その機能をジャンル別に紹介!

今や世界中の多くの人々にとって必要不可欠なものとなっているSNS。Twitter やInstagram などのSNS を利用する目的について調査したアンケートでは、「知人の近況を知りたい」「人とつながっていたい」といった他の人との繋がりを重視する意見が多くを占めています。
 
ただその反面、Twitter であれば自分のツイートに対する周りの反応、LINE であれば既読が生むプレッシャーといったような問題点が少しずつ目立ってきており、「SNS 疲れ」という言葉も聞かれるようになりました。
人々の生活に普及しているSNSの悪い点が浮き彫りになってきた中でも、その特性を活かしてユーザーを惹きつける「趣味に特化したSNS」が存在します。
 
■参考:2018年度 SNS利用動向に関する調査

 

趣味に特化したSNSとは?

冒頭でも書いた通り、TwitterやInstagram、LINEなどの総合型SNSでは「SNS疲れ」という言葉がよく見られる様になってきました。
そういった世の中でもサービスを提供している趣味特化SNSは「SNS」という側面と「一つの趣味に特化したサービス」という側面の二つを持ち合わせており、これらのサービスを利用するユーザーの目的は複数あると考えられます。
 
一つ目に、自分の情報の管理、投稿から得られる効果。
二つ目に、情報、感想、感動の他のユーザーとの共有。
三つ目に、趣味の中での新たな発見。
 
総合型のSNSよりも緩い繋がりを作れるなど、他にも多く趣味特化SNSの利用目的は存在するでしょう。
ですが今回は主にこの三つのメリットに焦点を絞り、趣味SNS について紹介していこうと思います。
 

自分の情報の管理、投稿から得られる効果

総合型、特化型問わずSNSの目的として第一、第二に挙げられるものと言えるのは、自分の情報の発信による承認欲求の充足ではないでしょうか。
趣味に特化したSNSでは、どういった機能を通じてこれをユーザーにもたらしているのでしょう。
 

DIYに特化したSNS「HANDIY」の場合

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HANDIY では画像のような形式で投稿が表示されます。
いいね、コメント、ハッシュタグといった他のSNS でも見られる機能は一通りついており、写真が大きく表示される事から個人的にはInstagram のような感覚で投稿と閲覧ができるという印象を持っています。
 

ランニングに特化したSNS「Runtrip」の場合

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Runtrip にはランニング関連の出来事などについて気軽に投稿できる「ジャーナル」、走ったコースを様々な要素と共に投稿できる「コース」の二種類があるのですが、ユーザーの承認欲求を満たす機能としては前者のジャーナルのほうが適していると感じられます。
ジャーナルでは、写真の上に走った距離やスタンプを貼り付けることが出来、他のSNS でいう「いいね」に当たる機能の「NiceRun」、コメントによって他のユーザーからの認知を得ることも可能です。
 

読書に特化したSNS「Stand」の場合

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読了した本、今から読む本などを「本棚」に登録することが出来ます。
デフォルトのこういった分類以外にも「作者別」「お気に入り」など自分なりのカスタマイズをすることで、自由自在に本を管理することが出来ます。
 

旅行の思い出に特化したSNS「ことりっぷ」の場合

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旅行ガイドブック「ことりっぷ」のコミュニティアプリでは、旅行での様々な思い出を自由に投稿することが出来ます。
郷土料理や歴史的な建造物などを自由に投稿することが出来、右の画像にあるようにユーザーはタグを使って投稿の種類を分類することが出来ます。
 

食に特化したSNS「ミイル」の場合

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ミイルでは、外食と自宅でのご飯の両方を投稿することが出来ます。
また、投稿した日時とは別にいつその食事を行ったかを設定できる機能があります。いつ何を食べたかが簡単にわかるカレンダーとなっています。
 

考察

Standを除いた四つのサービスはそれぞれにこの目的のための機能を備えており、TwitterやInstagramのような総合型SNSと同じように投稿という手法でユーザーは承認欲求を満たすことが出来るという印象ですが、Standでは予め運営によって登録された本を各ユーザーが自分の本棚に登録、管理する形をとっています。何故なのでしょうか?
 
これは、DIY、ランニングなどとは違って本というものは元からユーザー自身以外(作者、出版社)が作ったものであり、ユーザーにとってのオリジナルのものでは無いからと推測できます。前者ふたつは自作のテーブル、自分だけのランニング中の思い出といったような「自分がゼロから作る、行うもの」を他のユーザーに見てもらう事でユーザーが承認欲求を満たせるようにしていますが、自分ではない他者が作ったものを楽しむという形の趣味である読書を前提に開発されたStandでは、承認欲求というよりも「自分の本棚が充実してきた」という自己満足をユーザーが味わうことが出来るように登録・管理という形をとっているのではないでしょうか。
 
ことりっぷでユーザーが投稿している旅先での食事や景色、ミイルで投稿される外食は書籍同様他者によって提供されているものを楽しむ形になりますが、ことりっぷは様々に投稿するジャンルがあること、ミイルではカレンダー機能を提供していることからメインとして登録、管理の形をとっていないと推測できます。
 

情報、感想、感動の他ユーザーとの共有

自分の情報を発信することによるメリットもありますが、当然視点を変えれば他者からの情報を共有されることもSNSを使う上での一つのメリットとなります。
各サービスはどのような機能を提供しているのでしょう。
 

HANDIYの場合

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投稿の際にタグ、材料などを詳しく登録しておくことが出来ます。
これによって閲覧する他のユーザーは完成品のイメージ以外にも有益な情報を得ることが出来ます。DIYに特化しているからこその投稿機能といえるのではないでしょうか。
 

Runtripの場合

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先ほど紹介したジャーナル機能では、他のユーザーと共に感想、感動を共有することが出来ます。
仲のいいユーザー同士のコミュニケーションも多くみられ、承認欲求の充足だけでなく他のユーザーとの共有という観点で見てみてもこの機能は有用なのではないでしょうか。
 
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もう一つの投稿形式である「コース」では、走行ルートやコース情報を詳細に書くことが出来ます。
ジャーナルはユーザー同士がコミュニケーションをとって共有を行う機能なのに対し、こちらは半ば一方通行で情報を共有している印象があります。
ただしコース機能では、実際にこのコースを走った事やコースに対するコメントは投稿者に通知できるようになっている為投稿者への情報共有もすることが可能になっています。
 

Standの場合

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一冊に対して一つのコメント欄があり、ユーザーによって自由に感想が投稿されています。
このコメント欄でのリプライ機能やユーザー同士のダイレクトメッセージ機能は提供されていないものの、他のユーザーの本棚の閲覧などが充実している為に情報などの共有はしやすいと感じます。
 

ことりっぷの場合

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投稿画面では旅先のスポットや投稿のジャンルを設定することが出来、他のユーザーはこれによって効率的に旅行者の生の感想、情報を知ることが出来ます。
また、ことりっぷのクリップ機能ではスポット、投稿、記事に手早くアクセスできるようにしています。旅行前に気になるものを見つけておくことも簡単です。
 

ミイルの場合

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ミイルでは自分の手で作った料理の投稿ではそのレシピを、外食であればお店の情報を付け加えて発信することが出来ます。
また、投稿の中でのユーザー同士のコミュニティとは別に、自分の興味のあるコミュニティに参加できる部活機能も提供されています。自分の食の趣味に合う仲間を見つけるのにはサービス内でも一番の機能といっていいでしょう。
 

考察

各サービスの共有に関する機能を紹介しましたが、やはり共有という点においてもStandと他四つの間には機能の違いがあることがわかります。Standでは本に対するユーザーのコメントの投稿がメインであり、ユーザー同士がメッセージ等のコミュニケーションをとって何かを共有できるような機能は提供されていません。
 
他四つのサービスではほかの総合型SNSと同様に投稿にいいね、コメントが出来、ユーザー同士のコミュニケーションが充分にとれるようになっています。それぞれ投稿にプラスアルファで専門的な情報を共有できる機能を加えており、趣味に特化したSNSだからこそ実現できる機能だと考えることが出来ます。
個人的なイメージなのですが、Standを除く四つは投稿という「ユーザーが作った空間」で複数のユーザーがコミュニケーションをとって共有を行うのに対し、Standは本に対して他のユーザー達が書き連ねていった書評を掲載した「掲示板」のようなものをユーザーが閲覧することで結果的に共有を可能にしている、という感じがします。
 

趣味の中での新たな発見

LINEでのニュース機能など、SNSがコミュニケーションツールとしての機能以外も備えている場合は多くあります。では趣味特化SNSではどうでしょうか?
ユーザーの目的の一つである「新たな発見」を促すために各サービスが備える機能を紹介します。
 

HANDIYの場合

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マーケットという機能では、DIYに使う工具からアウトドア用品まで様々な商品が掲載されています。
テーブルやウッドデッキなど外で使うようなものを投稿しているユーザーも多く見られるので、そういったユーザー層の需要に合わせて工具以外にも目をつけているのではないでしょうか。
運営が定期的に更新している記事機能では、家でのDIYだけでなくオフィス、店舗にも使えるようなものが掲載されています。
 

Runtripの場合

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ランニングに関する記事を広くまとめている機能になっています。
新作のランニングシューズやウェア、ストレッチについての記事が多いのですが、自宅でのトレーニング方法、コロナ影響下でのランニングの注意点についてなどのタイムリーな記事も見られます。
 

Standの場合

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ユーザーが本棚に登録した本の傾向に合わせたおすすめの本を表示しています。
新刊をまとめている欄もあれば、漫画、文芸本などのジャンルに分類しておすすめを表示することが出来るため、効率的に自分の趣味にあう本を見つけることが出来ます。
 

ことりっぷの場合

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日本全国の観光地にまつわる記事を更新しています。お土産やご当地の食べ物など、基本的には食に関する内容のものが多いといった印象です。
 

ミイルの場合

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他のサービスと同様、特化した趣味の記事を更新しています。
コロナの影響によるものなのか、自宅での食事の楽しみ方についての記事が多くみられます。
 

考察

冒頭で書いた通り、SNSではコミュニケーションツール以外の側面を持ち合わせていることは珍しくありません。LINEのニュース機能だけではなく、Twitterであればトレンド機能、Instagramであればショッピング機能といったように様々な機能があることがわかります。
 
そういったサービスのもう一つの側面を活かすという際に、総合型のSNSよりも趣味というジャンルでユーザー層を絞れており、より具体的なサービスの提供を行えるのは趣味特化SNSの強みなのではないでしょうか。その中でも趣味に関する記事を扱う機能は提供しやすい傾向にある様に思われます。
 
コミュニケーションツールという側面以外のサービスを提供することで、ユーザーは「SNSと記事メディア、用品のオンラインショップ」といったように複数のサービスを利用することが少なくなります。これにより、ユーザーは簡潔且つ効率的に趣味を更に楽しむための情報源、コミュニティを得られるようになるでしょう。
 

もし実際に趣味SNSを作るならどんな機能を開発するべきか?

趣味というものは当然ながら多くの種類があります。そうすると当然、これから全く新しい趣味特化SNSも世に出てくることでしょう。
では今回で明らかにした趣味SNSの特徴を活かして、実際にサービスを開発するならばどのような機能を作ればいいのでしょうか?
 

スニーカーでSNSを作るとしたら?

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スニーカーを愛好している人は日本だけでなく世界中でもかなり多いと言っていいでしょう。何十年も前から根強い人気を誇るスニーカーも多く、それによってユーザー層もかなり幅の広い趣味となっています。
もしもそんなスニーカーを趣味とするユーザーに的を絞ってサービスを開発していくのなら、どのような機能を作ればユーザーにとってのメリットを作り出すことが出来るでしょうか?冒頭で紹介した三つの目的をメインに構想を練ってみたいと思います。
 

自分の情報の発信のカタチ

まず初めに、ユーザー自身の情報の発信をする機能はどのようなものが好ましいでしょうか。
 
例えば紹介した五つのSNSで題材となっているジャンルの内で趣味としてスニーカーと似た特徴を持っているものを挙げるとすれば、それは読書ではないでしょうか。先で述べたように、ユーザー自身以外の製作者がいる趣味という点で共通していると言えます。それならば投稿の形では無く、運営が更新するスニーカーを一つ一つユーザーが登録、管理していく機能を作るのは有効ではないかと思います。
 
ただ、スニーカーという趣味において登録、管理という形だけをとるのは少しユーザー目線からすると物足りないように感じます。
それは読書とは違い、ある程度の「人とは違う」オリジナルな部分があるというところ。限定販売であれば人が殺到しますし、その分プレミアムの価値がつくものも少なくありません。最近は自分でスニーカーの色や素材を変えて注文できるようなオンライン上でのサービスも提供されています。そのような要素もあることから、先述した登録、管理とは別に投稿機能を備えてみてもいいように感じられます。
 

他のユーザーとの共有の形式は?

ユーザーの承認欲求、自己満足を充足させる機能としてはいいものになるのではないでしょうか。
共有においてもふたつの発信形式にそれぞれの機能をつければいいでしょう。登録、管理ではStandの様にユーザーが登録したスニーカーのコメント欄に履き心地などを書けば情報、感想の他ユーザーとの共有はうまくいきそうですし、投稿ではRuntripの「ジャーナル」の様に直接的なコミュニケーションを促せる機能を提供すれば、ユーザー同士のつながりも強くなりそうです。
 

趣味の中での新たな発見をうながすツール

SNSとしてのツール以外でも、紹介した三つのサービスの様に別の側面としての機能を提供するとするならばどのような機能がいいでしょうか?紹介した三つのサービスで提供されている「オンラインショップ」「記事」「ユーザーへのおすすめ」を考えます。
 
オンラインショップ
NIKEやAdidasなど、様々なブランドがスニーカーを定期的に出していますが、ユーザーはみな平等にすべてのスニーカーを入手する権利があるわけではありません。競争率の高い限定商品もあれば、海外限定で発売されるものも多くあります。
勿論そういった「レア度の高い、プレミアムが付くような商品」を求めているユーザーも多くいるでしょうから、アプリ内でのオンラインショップはそういったユーザーにとって少し物足りないものになるのではないかと推測できます。
 
記事
現在でもスニーカーのニュースメディアはいくつか存在しますが、先ほど考察で述べたように、ユーザーの情報源となる機能を併せて提供するのは有用なものになるのではないでしょうか。限定の新作スニーカーの発売に関するニュースを更新してもいいですし、スニーカー収集を趣味にしている芸能人、インフルエンサーへのインタビュー記事など、ユーザーを惹きつけるコンテンツが考えられそうです。
 
ユーザーへのおすすめ
Standで提供されていたおすすめ機能ですが、これはスニーカー特化SNSで考えてみるとどうでしょう。
Standでは、漫画や文芸本など、ユーザーの好みに合った書籍を本棚から読み取って表示していました。これをこちらに当てはめるとするならば、ブランドやスニーカーのシリーズといったところでしょうか。ユーザーが登録している商品のブランド、シリーズ(AIR MAXシリーズ等)を読み取る様にすれば、ユーザーにとっても好みの一足を新たに見つける良いツールになるのではないでしょうか。
 

まとめ

趣味に特化したSNSを紹介し、ユーザーの目的別に考察を深めていきました。
冒頭で触れたように総合型SNSのユーザーの間で「SNS疲れ」が問題になっている今、SNSという形式の持つストロングポイントだけをイイとこどりし、ユーザーに対して明確に機能を提供している特化SNSはまだまだ拡げられる開発の可能性が大きいと言えるかもしれませんね。

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