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2024年7月24日

API設計の基本9選

API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の設計は、ソフトウェア開発における重要な要素であり、異なるソフトウェアシステムが相互に通信するための基盤を提供します。

API設計の基本原則を理解し、それを実践することは、堅牢で拡張性があり、使いやすいAPIを作成するために不可欠です。

以下では、API設計の基本について詳しく説明します。

1. エンドポイント設計

エンドポイントは、APIの各機能を提供するURLのことです。エンドポイントの設計は一貫性と理解しやすさを重視します。

一般的なガイドラインとして、エンドポイントはリソースを表現する名詞を用い、適切な階層構造を持つように設計します。

例えば、ユーザー情報を操作するAPIのエンドポイントは以下のように設計します。

・GET /users : ユーザーの一覧を取得

・POST /users : 新しいユーザーを作成

・GET /users/{id} : 特定のユーザー情報を取得

・PUT /users/{id} : 特定のユーザー情報を更新

・DELETE /users/{id} : 特定のユーザーを削除

このように、エンドポイントは一貫性のある命名規則に従うことで、開発者がAPIを直感的に理解しやすくなります。

2. HTTPメソッドの使用

HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETE)は、APIがどのように動作するかを定義します。

適切なHTTPメソッドを使用することで、APIの動作が明確になり、予期せぬ動作を防ぐことができます。

・GET: リソースの取得。データを変更しないため、安全なメソッドとされます。

・POST: 新しいリソースの作成。サーバー上のデータを変更するため、非安全なメソッドとされます。

・PUT: 既存リソースの更新。リソース全体を置き換える操作に使用されます。

・DELETE: リソースの削除。リソースを削除するため、非安全なメソッドとされます。

3. リソース指向設計

APIはリソースを中心に設計されるべきです。

リソースはデータエンティティを表し、エンドポイントにマッピングされます。

リソースは名詞で表現され、複数形で記述することが一般的です。

例えば、書籍管理APIのリソース設計は以下のようになります。

・/books : 書籍リソースのエンドポイント

・/authors : 著者リソースのエンドポイント

リソース指向設計により、APIは直感的で使いやすくなります。

4. レスポンス形式

APIのレスポンス形式は、クライアントが処理しやすいフォーマットで提供されるべきです。

一般的にはJSON(JavaScript Object Notation)やXML(eXtensible Markup Language)が使用されます。

特にJSONは、その軽量性と人間が読みやすい形式から、広く採用されています。

レスポンスは、データと共にメタデータ(例えばステータスコードやエラーメッセージ)を含めることが望ましいです。

5. ステータスコード

適切なHTTPステータスコードを返すことは、APIの利用者にとって非常に重要です。

ステータスコードは、リクエストが成功したかどうか、またはエラーが発生したかを示します。

◆2xx 成功

・200 OK: リクエストが成功し、レスポンスにデータが含まれている。

・201 Created: 新しいリソースが作成された。

・ 204 No Content: リクエストは成功したが、返すデータがない。

◆4xx クライアントエラー

・400 Bad Request: リクエストが不正である。

・401 Unauthorized: 認証が必要である。

・403 Forbidden: リクエストは理解されたが、実行が拒否された。

・404 Not Found: リクエストされたリソースが見つからない。

◆5xx サーバーエラー

・500 Internal Server Error: サーバー内部でエラーが発生した。

・503 Service Unavailable: サービスが一時的に利用不可能。

6. エラーメッセージ

API利用者が問題を迅速に解決できるように、詳細なエラーメッセージを提供します。

エラーレスポンスには、エラーメッセージ、エラーコード、および可能な解決策を含めると良いでしょう。

7.認証と認可

APIのセキュリティを確保するために、認証(誰がアクセスできるか)と認可(何ができるか)を実装します。

一般的な認証技術にはOAuthやJWT(JSON Web Token)があります。

・OAuth: サードパーティアプリケーションにユーザーのリソースへのアクセスを許可するための標準プロトコル。

・JWT: ユーザー情報を含むトークンを生成し、クライアントとサーバー間で認証を行うための技術。

これにより、APIは不正アクセスから保護され、利用者が適切な権限を持つことを保証します。

8. バージョニング

APIのバージョン管理は、後方互換性を保ちながら新機能を追加するために重要です。

バージョン番号はURLやヘッダーに含めます。

・URLにバージョンを含める: /v1/users

・ヘッダーにバージョンを含める: `Accept: application/vnd.myapi.v1+json`

バージョニングにより、APIの進化に伴う互換性の問題を管理できます。

9. ドキュメンテーション

APIの使用方法を詳しく説明するドキュメントを提供することは、開発者にとって不可欠です。

SwaggerやOpenAPIなどのツールを使用して、APIドキュメントを自動生成することも可能です。

ドキュメントには、エンドポイント、HTTPメソッド、リクエストとレスポンスの形式、サンプルコード、エラーメッセージの詳細を含めます。

APIのドキュメントが充実していることで、開発者はAPIを迅速かつ正確に利用できるようになります。

まとめ

API設計の基本を理解し、実践することは、使いやすく、拡張性があり、セキュアなAPIを作成するための重要なステップです。

エンドポイント設計、HTTPメソッドの使用、リソース指向設計、レスポンス形式、ステータスコード、エラーメッセージ、認証と認可、バージョニング、ドキュメンテーションといった基本的な要素を押さえることで、開発者にとって直感的で信頼性の高いAPIを提供することができます。

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オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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