BLOG

ブログ

2025年4月28日

ユーザー満足度を高める観光アプリ開発|UX/UI設計のポイント

「観光客向けにアプリを作ったけれど、ダウンロード数が伸びない」「使いにくいという声が多い」――こうした悩みを抱える観光業界の方も多いのではないでしょうか。  

スマートフォンが旅行者の“旅のガイド”となっている今、観光業におけるアプリ開発はますます重要になっています。ですが、機能が充実しているだけではユーザーは定着しません。“使いやすい”“また使いたい”と思われるUX(ユーザー体験)とUI(ユーザーインターフェース)の設計こそが、満足度を高め、成果に直結する鍵となります。  

本記事では、観光業界の事業者や担当者に向けて、UX/UI設計の考え方と、ユーザー視点でのアプリ開発に必要なポイントを具体的に解説していきます。

 

UX(ユーザーエクスペリエンス):アプリの利用を通じて得られる総合的な体験のこと。使いやすさ、楽しさ、ストレスの少なさなど。  

UI(ユーザーインターフェース):画面上のボタンや文字の見やすさ、色使いなど、ユーザーが直接触れる「見た目」や「操作部分」の設計。  

観光アプリにおいては、「使い方が直感的で分かりやすい」「必要な情報がすぐ見つかる」「旅先で困らない」といった体験が求められます。

 

◆観光業界に求められるUX/UI設計の特徴  

観光アプリは、一般的なECサイトや情報アプリと異なり、現地での利用が多く、時間的余裕がない中で使われるという特性があります。以下のような観点が特に重要です。

 

  1. 「3タップ以内」で目的の機能に到達できる導線設計  

旅行中のユーザーは、現地で立ち止まってスマホを操作する時間を最小限にしたいと考えています。そのため、目的の情報に素早くたどり着けるシンプルなナビゲーション構造が求められます。

 

【有効な例】

・トップ画面に「現在地から探す」「おすすめスポット」「チケットを表示」など主要ボタンを配置する

・メニューはカテゴリ別ではなく目的別(例:「食べる」「遊ぶ」「泊まる」)にする

 

たとえば「京都観光Navi(京都市観光協会)」さんは目的を満たすまでのUI/UX設計が良いですね。トップ画面に「今いる場所から探す」「おすすめルートを見る」などの直感的なボタンを配置しており、操作性のいいUI例と感じます。

 

  1. 地図ベースのUIと連動表示  

観光アプリでは「地図上で確認できるかどうか」が使いやすさの分かれ目になります。リストだけでなく、地図表示と連動させることで視覚的に分かりやすく、現在地からの距離感も一目で把握できます。

 

たとえば「スマホで金沢ウォーク(金沢市)」さんは、地図との連動性が特徴です。GPSを活用して現在地とルートを視覚的に表示することで、チェックポイントまでの道のりを分かりやすくナビゲートしています。こうした設計により、観光中の道迷いが減り、滞在満足度の向上にもつながっている印象を受けます。

 

  1. オフラインでも使える設計  

地方観光地や山間部、海外旅行では通信環境が不安定な場合も多いため、事前に情報や地図を保存しておけるオフライン機能の導入は、安心感を提供する重要なポイントです。

 

たとえば「じゃらんガイドアプリ(リクルート)」さんは、オフライン環境を考慮した設計が特徴的です。ガイド情報を事前にダウンロードできる仕様となっており、通信状況に左右されることなくスポット情報を確認できます。実際、地方での利用もしやすく、ユーザーからの評価も高いようです。

 

  1. 多言語対応とグローバルUI  

インバウンド対応では、日本語だけでなく英語・中国語・韓国語などの切り替えが可能なUIが求められます。さらに、国や文化によって“見やすい”配色・フォント・動線設計も異なるため、国際的なデザインルールに沿ったUI構築が重要です。

 

たとえば「Visit Japan アプリ(観光庁)」さんでは、多言語対応がスムーズに行える設計が印象的です。ユーザーの位置情報に応じて対応言語が自動で表示される仕組みになっており、初回起動時の言語選択も不要です。こうした工夫により、海外旅行者でも直感的に使いやすく、離脱を防ぐ効果が期待できそうです。

 

  1. ペルソナに基づいた設計  

ペルソナとは、代表的なユーザー像のこと。

 

たとえば、  

・20代女性/東京在住/Instagramで旅先を決める傾向あり/地方の絶景スポットを探している  

・50代夫婦/アクティブシニア/旅館や温泉を好む/土地の歴史や文化にも興味あり  

・台湾からの観光客/2泊3日の短期滞在/グルメ・買い物を重視/日本語が苦手  

このようなユーザー像を設定することで、このようなユーザー像を設定することで、情報の配置や言葉選びなど、UI設計の方向性が明確になります。

 

  1. 実用性と感情の両立  

観光は「体験」そのものが価値になります。そのため、使いやすいだけでなく、楽しい・ワクワクするような演出がUX向上につながります。

 

たとえば、  

・スタンプラリー機能(訪れたスポットをコレクション)  

・おすすめルートの提案(テーマ別:歴史・グルメ・絶景など)  

・アニメーションや写真を活用したビジュアル設計  

があります。

 

◆観光業者側のメリットも大きい  

UX/UIを最適化することで、ユーザー満足度が高まり、口コミ評価の向上やリピーター増加、現地での追加利用促進にもつながります。さらに、アプリ内でのユーザー行動データを分析することで…

 

・どの施設が人気か  

・どの時間帯に予約が集中しているか  

・クーポン利用率が高いスポットはどこか  

…といったマーケティングデータも取得でき、観光プランやプロモーション施策の改善にも活用できます。

 

こうしたUX/UIの改善は、集客や業務効率の向上だけでなく、観光事業全体を支える経営戦略の一部にもなりつつあります。

とはいえ、実際の開発・導入にあたっては、「何から始めてよいかわからない」「現場で本当に使えるものになるか不安」といったお声も少なくありません。

 

弊社では、観光業界に特化したアプリや業務システムの企画・開発・運用支援を行っております。

「どのような機能が必要か相談したい」「アイデアを形にできるか不安」といった段階からのご相談も歓迎しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

▼詳しくはこちらからお問い合わせいただけます▼

お問合せ

 

◆まとめ  

観光業界で成功するアプリ開発の鍵は、ユーザーの「旅の目的」と「行動」を深く理解し、それに沿ったUX/UI設計を行うことです。どんなに多機能なアプリでも、「使いにくい」「迷ってしまう」と思われては意味がありません。  

逆に、「わかりやすくて便利」「旅がもっと楽しくなった」と思ってもらえるアプリは、口コミでの拡散やリピート利用にもつながり、観光ビジネス全体の成果に大きく貢献します。  

これからアプリ開発を検討している、あるいは既存アプリを改善したいという観光事業者の方は、UX/UI設計を最優先課題として捉えることをおすすめします。それは単なる“見た目”の話ではなく、“ユーザーの心を動かす仕組み”を創ることに他なりません。

 

Author Profile

オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

コメントを投稿できません。