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2024年6月28日

クラウドネイティブアプリケーション開発の最新トレンド10選

クラウドネイティブアプリケーション開発は、最新の技術やベストプラクティスを活用して、クラウド環境に最適化されたアプリケーションを構築するアプローチです。

本記事ではこの分野の最新トレンド10選を説明します。

1. マイクロサービスアーキテクチャ

マイクロサービスアーキテクチャは、アプリケーションを小さく独立したサービスの集合体として設計する方法です。それぞれのサービスは特定のビジネス機能を担当し、独自にデプロイ、スケール、更新が可能です。このアプローチは、以下の利点を提供します。

・スケーラビリティ:各サービスが独立しているため、必要に応じて特定のサービスのみをスケールできます。

・回復力:一部のサービスが障害を起こしても、他のサービスが影響を受けにくい。

・デプロイの柔軟性:独立したサービスは個別にデプロイ可能で、開発サイクルが迅速になります。

2. コンテナとオーケストレーション

コンテナ技術、特にDockerの登場は、クラウドネイティブアプリケーションの開発を大きく変えました。コンテナは、アプリケーションとその依存関係を一つにまとめて、一貫した動作環境を提供します。主要なオーケストレーションツールとしては、Kubernetesが挙げられます。

・コンテナ化:コンテナはアプリケーションの移植性を高め、環境間での一貫性を提供します。

・Kubernetes:Kubernetesは、コンテナのデプロイ、スケーリング、管理を自動化します。これにより、リソース管理が効率化され、アプリケーションの高可用性が実現します。

3. サーバーレスアーキテクチャ

サーバーレスアーキテクチャは、開発者がサーバー管理を気にせずにコードを書くことを可能にします。AWS LambdaやAzure Functionsなどのサーバーレスプラットフォームが広く利用されています。

・イベント駆動:サーバーレスはイベント駆動型のアーキテクチャに適しており、特定のイベント(例:HTTPリクエスト、データベース変更など)が発生したときに関数が実行されます。

・コスト効率:使用した分だけ課金されるため、コスト効率が高いです。

4. 継続的インテグレーションとデリバリー(CI/CD)

クラウドネイティブアプリケーション開発において、CI/CDパイプラインの導入は不可欠です。これにより、コードの変更が自動的にビルド、テスト、デプロイされます。

・自動化:CI/CDパイプラインは開発プロセスを自動化し、エラーを減少させます。

・迅速なデリバリー:コードの変更がすばやく本番環境に反映されるため、アプリケーションのリリースサイクルが短縮されます。

5. DevOpsとGitOps

DevOpsは開発(Development)と運用(Operations)を統合し、迅速かつ信頼性の高いソフトウェアデリバリーを目指す文化とプラクティスのセットです。GitOpsはその延長線上にあり、Gitを唯一の真実のソースとして、インフラストラクチャの管理とアプリケーションデリバリーを行います。

・インフラストラクチャ・アズ・コード(IaC):TerraformやAnsibleなどのツールを使用して、インフラストラクチャの設定をコードで管理します。

・GitOps:Gitリポジトリをインフラとアプリケーションのデプロイ状態の管理ツールとし、Gitを中心に運用します。

6. セキュリティの強化

クラウドネイティブ環境では、セキュリティは最初から設計に組み込まれるべきです。シフトレフトセキュリティやDevSecOpsの実践が注目されています。

・シフトレフトセキュリティ:セキュリティテストを開発の早い段階で実施し、問題を早期に検出します。

・DevSecOps:セキュリティをDevOpsプロセスに統合し、自動化されたセキュリティテストを実施します。

7. マルチクラウドとハイブリッドクラウド戦略

企業は複数のクラウドプロバイダーを利用するマルチクラウド戦略や、オンプレミス環境とクラウドを組み合わせるハイブリッドクラウド戦略を採用しています。

・マルチクラウド:複数のクラウドプロバイダーを利用することで、可用性を高め、ベンダーロックインを防ぎます。

・ハイブリッドクラウド:オンプレミスとクラウドの利点を組み合わせ、柔軟でスケーラブルなインフラストラクチャを構築します。

8. オブザーバビリティとモニタリング

クラウドネイティブアプリケーションの複雑化に伴い、オブザーバビリティとモニタリングの重要性が増しています。これにより、システムの健全性をリアルタイムで監視し、問題を迅速に特定・解決できます。

・オブザーバビリティ:システム全体の動作を可視化し、異常を検知します。

・モニタリング:ログ、メトリクス、トレースなどを収集し、システムの状態を監視します。

9. AIと機械学習の統合

クラウドネイティブアプリケーションにAIや機械学習を統合することで、より高度な機能を提供できます。AWS SageMakerやGoogle Cloud AIなどのプラットフォームを利用して、MLモデルのトレーニング、デプロイ、運用を簡素化できます。

・AI/MLサービス:クラウドプロバイダーが提供するAI/MLサービスを利用して、迅速にモデルを構築し、デプロイします。

・データパイプライン:大規模なデータセットを処理するためのデータパイプラインを構築し、継続的なモデル改善を行います。

10. エッジコンピューティング

エッジコンピューティングは、データ処理をデータ生成元に近い場所で行う技術です。これにより、遅延を最小限に抑え、リアルタイム処理が可能になります。

・低遅延:データ処理をエッジで行うことで、ネットワーク遅延を減少させます。

・分散処理:エッジデバイスで分散処理を行うことで、中央のクラウドへの負荷を軽減します。

これらのトレンドは、クラウドネイティブアプリケーション開発の進化を示しており、企業が迅速かつ効率的に競争力のあるソリューションを提供するための基盤となっています。

各トレンドを理解し、適切に活用することで、より強固でスケーラブルなアプリケーションを構築することが可能となります。

Author Profile

オプスイン編集部
オプスイン編集部
東京都のwebアプリ、スマートフォンアプリ開発会社、オプスインのメディア編集部です。
・これまで大手企業様からスタートアップ企業様の新規事業開発に従事
・経験豊富な優秀なエンジニアが多く在籍
・強みはサービス開発(初期開発からリリース、グロースフェーズを経て、バイアウトするところまで支援実績有り)
これまでの開発の知見を元に、多くのサービスが成功するように、記事を発信して参ります。

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